The Core Column(60)_戦友カリオカ(ラモス瑠偉)との対話・・久保建英というテーマ・・(2019年6月11日、火曜日)

■2019年6月9日の森保ジャパンvsエルサルバドルから、久保建英というテーマをピックアップ・・

●「久保建英の才能は、まだまだ磨かなければいけない・・」という昨日コラムのつづき・・

「たしかに、カリオカが言うように、久保建英は、ホンモノの天才(前回コラムをご参照あれ)になるためには、まだまだ才能を磨かなきゃいけない・・」

そんな私の問いかけに、カリオカが一言。

「久保は、誰もが見たい選手ですよね・・だからこそ、大事に育てなきゃいけないんです」

「そうだよな~・・これまで日本サッカーは、ホントに何人、天才キャパシティーを秘めた才能たちを潰してきたことか・・そのことは、カリオカも体感しているよな?」

「もちろん・・」

そこでカリオカの語気が三段階アップするんだよ。

「ホントに、アタマにきますよ・・自分たちのために、若手の才能をチヤホヤして、勘違いさせるんだから・・」

「そんな扱いを受けたら、誰だって舞い上がっちゃうでしょ・・チヤホヤするヤツらは、選手のことなんか考えていない・・自分たちのことしか考えていないんだよ・・」

そこで私も、言いたい放題。

「ホントだよな~・・謙虚さをなくしたら、決して進化できないって、誰かが諭(さと)さなきゃいけないのに、美人レポーターが、しゃしゃり出てきて、王様あつかいするんだからな」

「それについては、基本、ドイツでも同じようなモノだけれど・・」

「でも、そこは、フットボールネーションということで、歴史とか伝統とか呼ばれる何かで、周りが、しっかりと抑えるんだよ・・そう、本場には、ちゃんと諭す人がいるんだ」

カリオカの強烈な語気は止まらない。

「そう・・ブラジルにも、抑えてくれる人は多いよ・・歴史のなかで、多くの失敗をしているからね」

「でも日本には・・まあ、近頃は、かなりマネージメントがしっかりするようにはなったけれど、Jリーグがはじまった当時は・・もう・・あ~~、思いだしたくない・・」

そこで話題を変える。

「そんな日本サッカー界の進歩だけれど、この2年間での久保建英の進化は、ある意味、日本サッカーが進歩していることの象徴的な出来事なのかもしれないね・・」

カリオカ。

「たしかに、そうかもしれないけれど、久保の場合は、彼自身が、とてもしっかりしているというコトにも注目しなきゃいけないと思うんですよ」

「例えば、自分の意志で、パワーアップトレーニングやスピードトレーニングといったフィジカルを徹底的に鍛えるとかね・・」

わたし。

「そうだよな~・・とにかく2年前の久保建英は、大人のサッカーで、パワーだけじゃなく守備スキルでも潰されつづけるとか、さまざまな煮え湯を飲まされたからね・・」

「でも彼は、そんな悔しさを糧に、大きく成長したよな・・彼のメディアでの受け答えを、見たり聞いたりしていると・・頼り甲斐さえ感じるよ・・」

カリオカ。

「とにかく、久保が、こんなに早く、あのレベルまで成長できたのは、素晴らしいよ」

「そうそう、そのプレーの発展だけれど、昨日のエルサルバドル戦でのデビューじゃ、その何たるかを如実に証明したですよね・・」

「言い換えれば、彼は、金を払ってでも観たい選手になったということですよね」

わたし。

「ところで、そんな彼のプレーの魅力の本質は、どこにあると思う?」

カリオカ。

「それは、違いを生み出せる意外性だと思いますよ」

わたし。

「それって、誰も予想できないプレーができるっちゅうコトだよね・・そこに驚きがあるからこそ、相手を翻弄できるだけじゃなく、観る方も魅了する・・」

カリオカ。

「そうそう・・相手の守備イメージのウラを取るっていうことなんだけれど、久保は、パスを受ける前から、周りの状況をしっかりとイメージできているって思うんですよ・・」

「相手ディフェンダーが予測してるコトを先読みして、その上をいくとかね・・」と、カリオカ。

そこから、久保建英の、ボール絡みのプレーだけじゃなく、大きく進化した守備にも(要は、攻守ハードワークの内実にも!)ハナシが進んでいくんだ。

<つづく>