2023_J1_第18節・・秘術を尽くした、エキサイティングなせめぎ合いだった・・堪能した・・(レッズvsフロンターレ、1-1)
スターティングメンバーを確認したとき、目を疑った。
マチェイ・スコルジャは、ホセ・カンテに、一体何を期待しているのだろうか・・
たしかに、もう何度も書いているように、「立体センス」は、悪くない。
パスを受ける前の、自分の周りの状況についての「イメージング」には、確かなモノがあるんだ。
だから、素早い、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの「起点」には、なれる。
もちろん、もし周りの「人の動き」が、その「流れ」に乗ったとしたら・・のハナシではあるけれどネ。
でも、いまのレッズには、ホセ・カンテを中心にしたコンビネーションのイメージングは、確立していないでしょ。
また、ホセ・カンテは・・
スピードがないし、スキルが十分じゃないから、ドリブル突破など、期待できない。
また、局面でのコントロールスキルも確かじゃないから、効果的な「タメ」を演出できるようなポストプレーの量と質についても、期待薄。
何せ、今日のゲームの相手は・・
「あの」鬼木達フロンターレなんだからね。
そして結局、時間の経過とともに、前線オリジナル・フォーに、落ち着いていったんだよ。
そう、興梠慎三、大久保智明、関根貴大、そして小泉佳穂。
たしかに、小泉佳穂については、感覚的に、「フッ切れた勝負」は、まだできていない。
それでも、ゲームの流れとして、オリジナル・フォーが出てきたことで、期待が高まったモノさ。
ただ、信じられないコトに・・
その交替プロセスのなかで、いまのレッズの屋台骨とも言える、岩尾憲と伊藤敦樹のダブルボランチを、交替させちゃうんだよ。
ゲーム&チャンスメイクの、「勝負イメージングの核」とも言える、このダブルボランチ。
そして・・
彼らが抜けたあとのレッズは、わたしの目には、まさに「攻守イメージングの核」を失った「彷徨チーム」のように映っていた。
まあ、マチェイ・スコルジャの采配に対して、アンチの意見をぶつけるのは、これくらいにしよう。
何せ、現場で何が起きているのか・・
ドイツでの体感も含め、その裏側を知っている私だから、逆に、外部には、そこで為される判断と決断のバックボーンなんて、決して分からないという事実「も」分かっているわけだからネ。
フ~~ッ・・
ということで、ゲーム(勝負)展開・・
たしかに、全体的には、とてもエキサイティングなゲーム展開だったし、両チームともに、ゴールには、少しずつ「近づいて」はいたけれど・・
でも・・
そう、結局は、両チームともに決め手を欠いて、引き分けという結果に落ち着いた。
あっと、そこじゃ、こんな決定的シーンもあったね・・
フロンターレの小塚和季がレッドを喰らった後の72分、交替出場した瀬川祐輔が、完璧なカウンターチャンスで、まったくフリーでレッズゴールに迫ったんだ。
でも結局は、飛び出してきた西川周作の「勢い」に、シュートをミスしてしまうんだよ。
とにかく、両チームともに、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に、繰り返しチャレンジしていったコトだけは確かな事実だった。
それは、それで、心躍らせるプロセスだったんだよ。
そう、そんなチャレンジがブチかまされるたびに、前のめりになったんだ。
でも、両チームのボール奪取プロセス(守備)は、とても強い。
特筆だったのは、ボールがないところで(ラストパスで!)勝負を決めようとする両チームに対し、両チームのデイフェンスブロックが、ものすごく効果的に対処できていたっちゅうポイント。
それは、それで見応え十分ではあったけれど・・
やっぱりゴール機会は、体感したいよね。
でも・・
まあ、仕方ない。
ということで・・
両チームの、とても高質なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)と、ものすごくステディーなボール奪取プロセス(守備)は、心から堪能させてもらいました。
最後に・・
フロンターレの、「超」天才、家長昭博。
彼について、こんな経験をしたことがあった。
ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟(BDFL)が主催する、サッカーコーチ国際会議。
久しぶりに、来月、コロナ後はじめての、「対面」での会議が、ブレーメンで開催されるんだ。
あっと・・
言いたかったのは、今年の会議じゃなく、以前の国際会議でのコトだった。
そこでは、色々な「異文化」の人たちと知り合ったわけだけれど、そのなかに、一人のスペイン人プロコーチがいたんだ。
ソイツ・・
マジョルカに雇われていたことがあり、当時「RCDマジョルカ」で「異彩」を放ちつづけていた家長昭博を知っていたんだ。
コーチとして、家長昭博と直接関わったかどうかは、知らないけれど、ソイツに、こんなコトを聞かれたんだよ。
・・アキは、ホンモノの天才だよ・・
・・スペイン人にも、あんなレベルの天才は、そうは、いない・・
・・でも、ハードワークが足りないから、このままスターになっていけるかどうかは疑問だけれどね・・
・・それでも、アキの才能は、ホントに別格だった・・
・・日本には、あんな天才が、ゴロゴロしているんだろ??・・
だから、言ってやった。
・・何を言っているんだよ、アキは、日本でも、特別な天賦の才なんだ・・
・・そのコトもあって、彼の才能を「使いこなす能力のあるプロコーチ」に恵まれなかったんだ・・
難しいネ、ホントに、「超」天才を、使いこなすのは。
でもやっと、ホントにやっと、鬼木達フロンターレにめぐり会った。
今の彼は、攻守ハードワークにも「主体的」に勤しむほどの「大人」になったけれど・・
要は、彼のプレーは、全てが、攻守ハードワークも含めて(!!)、自身のイメージングによる「主体性プレー」というわけだ。
そこに至るまでの(スペインも含む)紆余曲折を考えたら、ホントに、惜しいことをしたって思うのは、私だけじゃないでしょ。
ということで、また~・・