2023_ルヴァン決勝・・長谷部茂利アビスパは、まさに順当に、勝利を掴んだ・・その長谷部茂利の、選手たちを「解放」し、極限の主体性プレーへと導いた素晴らしい仕事に、乾杯!・・(アビスパvsレッズ、2-1)

・・アビスパは、とても集中していますね・・

フジテレビ解説の牛若丸が、アビスパのボール奪取プロセス(守備)について、こんな素敵な表現をした。

おっしゃる通り。

長谷部茂利アビスパは、ものすごく力強い「意識と意志」を、爆発させつづけていたんだ。

そう、それこそが、「集中力」と呼ばれている、つかみ所のないファクターの本質なんだよ。

ということで・・

長谷部茂利アビスパのボール奪取プロセス(守備)が、ものすごく美しいというテーマ。

・・素早く、効果的な攻守の切り替え・・

・・間髪を入れずにブチかます、チェイス&チェック(寄せ)・・

・・その初動に、周りのチームメイトは、マーキング&カバーリング等、しっかりと対応する・・

・・もちろん、意識と意志パワーが試される局面デュエルでも、まったく負ける雰囲気がない・・

・・組織的な協力プレスの「輪」の効果レベルを極大化する、選手たちの集散アクション・・

・・そして、例によっての、最後の半歩という決定的ファクター・・

最後の半歩・・

わたしは、ボールを奪い返すための「積極的&攻撃的イメージング」と定義する。

要は、相手のボール動きに対する「予測や読み」のコトね。

ソレがしっかりしているからこそ、相手のファイナル仕掛け(ラストパスorクロス、シュート等)への対応も、とても効果的なモノへと昇華させられる。

フォルカー・フィンケが持ち込んだ「ボール・オリエンテッド」なプレー・・」っちゅう概念ね。

長谷部茂利は、ホント、とても良い仕事をしている。

現役時代の彼は、「あの」李国秀が就任した桐蔭学園高校サッカー部の(李が就任してからの!)第1期生として、チームを引っ張った。

その後、学業でも秀でていた長谷部茂利は、筑波大学へ進学すると思っていたけれど、結局、李国秀のアドバイスを受け、中央大学サッカー部で進化を遂げた。

そしてプロでは、これまた李国秀のアドバイスによって、ヴェルディ川崎に入団した。

その後、川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸、ジェフ市原とわたり歩くなかで、絶対的チームリーダーとしてクラブ発展に大きく貢献した。

そんな、現役時代の長谷部茂利だけれど、わたしは、李国秀と「近かった」コトもあって、彼のコトは、いつも傍から気にかけていたんだよ。

彼の、充実したキャプテンシーからして、指導者としても、日本サッカーに大きく貢献するに違いないと確信していたコトも、含めてネ。

そんな長谷部茂利が、アビスパ福岡を、こんな良いチームへと引き上げるわけだ。

まあ、私にとっては、当然の成りゆきではあったけれど・・

以前のコラムで・・

ミハイロ・ペトロヴィッチ率いるコンサドーレ札幌(北海道)と並び、長谷部茂利アビスパ「も」、明確に、リーグの「強豪チーム」と呼ぶに相応しいクラブに成長していると、書いた。

もちろん、そのバックボーンは・・

彼らが展開しつづける、リスクチャレンジを恐れない、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)とスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)だぜ。

まあ、「それら」は、一つのファクターに集約されるでしょ。

そう、選手たちが魅せつづける、極限の主体性プレー。

ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。

皆さんもご存じのとおり、わたしは、徹底(戦術)サッカーが、嫌いだ。

その考え方は、ドイツ留学時代に、世界のレジェンドプロコーチ連中から、叩き込まれた。

・・オマエは、日本人が、変にカタチに囚われるコトなく・・

・・しっかりと自分たち自身で考え、勇気をもってリスクにチャレンジしていく・・

・・そんな美しい(自由な!!)質実剛健サッカーができることに貢献するんだぞっ!!・・

特に、ヘネス(ヴァイスヴァイラー)と、リヌス(ミケルス)からは、そんな「指示」を受けたモノさ。

だからこそ・・

そう、この試合で、長谷部茂利アビスパが魅せつづけた、主体性サッカーを、心から称賛し、長谷部茂利に対して、感謝の拍手をおくるわけさ。

とにかく・・

前からプレスにしても、状況に合わせて素早く、効果的に「組織する」ブロック守備にしても・・

内容があるし、その「やり方」への「移行」にしても、限りなく、選手たち自身が、考え、判断し、勇気をもってアクションしているって感じるんだ。

さて、最後に・・

アビスパ福岡の、仕掛けリーダー、紺野和也について・・

特に、先制ゴールシーンでの、彼の「勝負イメージング」が、素晴らしかった。

最初のドリブルで相手をかわしたシーンは言うまでもなく・・

次の瞬間、軽くアタマを上げてゴール前の状況を観察したプレーが、秀逸だった。

彼は、前寛之が、酒井宏樹の背後から、決定的スペースへ走り込むシーンを、アタマに投影しながら、そのラストクロスをブチ込んだっちゅうわけだ。

わたしは、紺野和也が、視線を奔らせた瞬間に、鳥肌が立ったモノさ。

そして、もう一人・・

そう、レッズで、その「異能ミドル弾」で目立ちに目立っているホセ・カンテ。

彼は、レッズ明本考浩が、「追いかけゴール」をブチ込んでからの最後の時間帯、二つも、(ホセにとって!!)完璧なゴールのカタチを獲得したんだよ。

最初のミドル弾は、ほんの少しだけGK永石拓海へ「寄りすぎた」ことで、弾かれた。

もう一つは、もう完璧だったけれど、左ポストを直撃した。

わたしは、この二つのチャンスに(ホセにとっては100%チャンス!!)、身体がフリーズしたよ。

でも、入らなかった。

フ~~ッ!!

そんな、こんなで、ものすごく興味深い「勝負ファクター」が、まさにテンコ盛りの勝負マッチではありました。

最後に・・

冒頭の「牛若丸」だけれど・・

それは、中村憲剛のコトだよ。

彼の、グラウンド外での、日本サッカーへの貢献に対して「も」、感謝の拍手をおくりますよ。