The Core Column(71)_テーマ「気づき」・・スペース攻略プロセス(攻撃)・・(2022年1月15日、土曜日)

■カタチから入っちゃいけない・・でも(攻撃では!)カタチ・イメージングも、大事・・

チト、分かりにくい表現になってしまった。

要は・・

ボール奪取プロセス(守備)が、基本的に「受け身」であるのに対し、スペース攻略プロセス(攻撃)は、あくまでも、自分主体ということだ。

そりゃ、そうだ。自分たちが、ポールを持っているのだから・・

そして、そこには、サッカーが、パスをつなぐ「組織スポーツ」という大原則もある。

そう、それぞれの選手のイメージングを、うまくシンクロさせなきゃいけないのですよ。

だからこそ、スペース攻略プロセス(攻撃)では、チーム戦術というカタチ「も」大事なんだ。

あくまでもサッカーは、「association Football」というわけさ。

もちろん、そこには・・

故ディエゴ・マラドーナとか、・・とか、まさに人々の度肝を抜く「美しい個人プレー」という要素(武器)もあるさ。

彼らの感性は、「カタチ」を超越した存在だし、彼らを、様々なチーム戦術に組み込んでいかなければならない等、多くのケースで、成功までに紆余曲折を経ることになる。

また彼らが、攻撃チーム戦術の「中心」に据えられることだってあるわけだから・・さ。

とにかく・・

チームメイトによる、その天才プレイヤーに対する評価と協力(期待値!?)の内容など、実効レベルに雲泥の差が出てくる「要因」も山ほどあるっちゅうわけだ。

とはいっても、そこには・・

フィジカル、テクニカル、タクティカルに、選手たちの能力が「高次平準化」している現代サッカーでは・・

大天才といえども、攻守ハードワークに「も」勤しまなきゃ生き延びられなくなっている・・という事実もあるんだよ。

そんな、チームプレーへの「汗かき姿勢」がなければ、決して、チームメイトに信頼されることも、頼りに(レスペクト)されることもない。

そして結局・・

人とボールの動きについていけず、全体的な「動き」のなかで孤立することになる。

あっ・・ちょっとハナシがずれた。

とにかく、サッカーでは・・

カタチ「も」大事というニュアンスもふくめて・・

ボール・オリエンテッドなプレー(組織的なイメージング!?)こそが、大原則というわけだ。

それに対して、原則「受け身」の守備では・・

まず・・

相手ボールの動きを読み(予測し)ながら、それを、チェイス&チェックやマーキング、カバーリングなどによって、限りなく自分たちのコントロール下に置こうとする。

そして・・

相手トラップの瞬間を狙ったアタックや、インターセプト、そして最終シーンでの「最後の半歩」などで、相手からボールを奪い返そうとするわけだ。

それに対し、スペース攻略プロセス(攻撃)では・・

そんな相手の、ボール奪取イメージングを振りまわすことこそがターゲットになるというわけさ。

だからこそ・・

大天才による、目の醒めるような美しい勝負ドリブルもふくめて(!!)・・

互いの仕掛けイメージングを、うまく「シンクロ」させることこそが、とても大事なファクターになるっちゅうわけだ。

そう、人とボールの動きについての、それぞれの選手のイメージングを、うまくシンクロさせる(噛み合わせる)っちゅうことね。

そのターゲットは・・

あくまでも、相手ディフェンスの穴(スペース)を攻略すること。

スペース攻略までたどり着けば、かならず、シュートチャンスを創りだせる。

そして、だからこそ・・

ボールがないところでの動き(気づき!!)が、決定的な意味をもってくるんだよ。

勝負はボールのないトコロで、決まる・・。

あっと、繰り返しになるけれど、攻撃(仕掛け)の目的・・

それは、あくまでも、シュートを打つことだからね。

ゴールを挙げる・・というのは、結果にしか過ぎない。

まあ、そこには、「シュート決定力」っちゅう、ある意味で哲学的とも言えるテーマが立ちふさがるわけだけれど、それについては、「このコラム」も、ご参照あれ。

とにかく、スペース攻略プロセス(攻撃)では、さまざまなアイデア(イメージング)をリンクできるようなカタチ(チーム戦術)も、大事だということが言いたかった。

さて・・

■ということで、仕掛けプロセスでの、気づき・・

スペース攻略プロセス(攻撃)では、カタチ「も」大事・・と、書いた。

そこでは、主体的に、互いのアクション・イメージングを、うまく重ね合わせられなきゃいけない。

人とボールの動きを、うまく連動させるためにね。

例えば、こんなカタチ・・

そこに、「サイドから仕掛ける・・」という、チーム戦術(イメージング)があるとする。

チーム全体でシェアされている、イメージングの方向性によって・・

逆サイドのチームメイトは、ボールホルダーの、サイドチェンジにチャレンジしようとする「意識と意志とイメージング」に気がつく。

そこでの気づきのベースは、共有のカタチ(戦術イメージ)だけじゃなく、アイコンタクトもある。

一瞬でも、視線が飛ばされたら、それは、(パスに備える!?)アクションを起こす明確な「スイッチ」になるっちゅうわけだ。

たとえ、ボールホルダーとパスレシーバーの距離が、数十メートル離れていたとしても・・ね。

また中央突破でも・・

そこで仕掛ける、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションでも同じ。

周りから信頼されているチャンスメイカーが、スペースをつなぐドリブルに入った状況。

そこでもまた、ボールがないところのチームメイトは、カタチのイメージに誘(いざな)われるように気づき、ボールがないところでのサポートの動き(フリーランニング)を炸裂させる。

例えば・・

一人は、スッとスベースへ入り、タテパス(ワンのパス)の受け皿になる。

同時に、もう一人が、別のスペースへ入り込むことで、ワンツースリーのリズムに備える。

また別の選手は・・

そのゾーンでの人とボールの動きを予想し、「そこ」から出てくる決定的なパスをイメージしながら、3人目、4人目のフリーランニング(動き)に入る。

そんな、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。

わたしは、ワンツーを積み重ねるコトで、自然と、美しい、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが演出される・・と、思っている。

また、クロスを送り込む勝負シーンでは・・

例えば、ペナルティエリア角ゾーンスペースまで入り込めたとしよう・・

そう、決定的クロスを送り込めるビッグチャンスだ。

その瞬間、中央ゾーンで、決定的クロスを待ち受けるチームメイトたちは・・

いくつかの、決定的シュートチャンスに、気付いている。

例えば、後方スペースで待ったり、中央ゾーンに入り込んだり、ニアポストの決定的スペースへ全力ダッシュで突っ込んでいったり。

また・・

こんな、決定的チャンスの可能性にだって、気づくかもしれない。

それは・・

前述の、ペナルティエリア角ゾーンから、決定的クロスを送り込めるチャンス。

そのとき、逆サイドのファーポストゾーンにいた味方プレイヤーが、ゴールラインと平行に、爆発ダッシュを仕掛ける。

目指すスポットは・・

中央ゾーンにいる相手ディフェンダーの目の前に広がる「眼前スペース」である。

そのディフェンダーは、背後から、自分の「眼前スペース」へ抜け出そうとする相手フリーランナーに気付いていない。

そして、最後の瞬間、自分の目の前を、スッと、相手プレイヤーのユニフォームがよぎる・・

そんな、クレバーな「気づき」ベースの効果的シュートシーンは、多い。

そう、2021年9月2日に行われた、WM最終予選のホーム初戦で、オマーンに奪われた決勝ゴールのようにね。

ということで・・

ここでも、パサーの気づき、レシーバーの気づき。

その「シンクロ」が、テーマだった。

■でも、やっぱり、カタチに囚(とら)われ「過ぎ」ちゃいけない・・

そうなんだよ。

たしかに、基本的に「受け身」であるボール奪取プロセス(守備)とは違い、それぞれの仕掛けイメージングに、ある「方向性」を持たせるコトには、意味はある。

それでも、「過ぎ」たら、確実に、選手個々の「創造性」を蝕(むしば)んでしまうのだ。

ある「イメージング方向性」を共有するのはいい。

それでも・・

スペースを攻略するプロセスが、ある「カタチ」に囚われ「過ぎ」たら、逆に、相手のディフェンス対抗イメージングに、意味あるヒントを与えてしまう。

言いたかったコトは・・

やっぱり、過ぎたるは及ばざるがごとし・・

カタチ(チーム戦術)と、自由な「解放マインド」の、ハイレベルなバランスを構築するコトこそが、求められるマネージメントターゲットなんだ。

不確実なファクターが満載のサッカーだからこそ、自らの「感性」を前面に押し出す、主体的なプレーこそが、目指すべき「スタイル」じゃないか。

そのコトが言いたかった。

ということで、次には・・

気づき(主体性プレー!?)の本質とも言える、実効レベルの高いイメージトレーニングも含む、考えるチカラを育む「環境整備」について、思うところを語ろうと思います。

・・ってな感じで、不定期に、ディスカッションを展開させていければって思っている筆者なのであ~る。

どうなることやら・・

請う、ご期待。