2024_EURO_12・・ ドイツは、チーム全体で、コンセプト(戦術イメージング)を、とても正確に、そして創造的・主体的に「シェア」している・・監督(ユリアン・ナーゲルスマ ン)の優れた「ウデ」を感じる・・(ドイツvsデンマーク、2-0)
同じような傾向のサッカーを志向する両国。
でも・・
そうなんだよ、微妙な「僅差」が、ゲーム全体にわたって、見える、見える。
ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても。
ボール奪取プロセス(守備)では、やっぱり、「最後の半歩」というファクター。
要は、次のボールの動きに対する「読み」・・ね。
彼らは、ボールが動いてから、リアクションするのではなく、次を「予測」する。
だからこそ、勝負へ向かう「爆発スタート」が、少しだけ、早い。
これは、観ている方の感覚だけれど、あとでスローモーションを観てみると、その「微妙なタイムラグ」が感じられるんだ。
もちろん、すべてのプレーについてじゃない。
そんな強いドイツだって、自分の「読みのウラ」を突かれることもある。
でも・・
そう、そんな微妙な「僅差」が、徐々に、ゲーム展開の大きな「差」となってグラウンド上に現出してきたコトも確かな事実だった。
それこそが、ゲームを観戦するときの醍醐味っちゅうわけだ。
あっと・・
それじゃ、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では!?
これは、もう、何といっても、人とボールの動きの内実だよね。
デンマークの「動き」は、いつも、少しだけ「遅れる」んだよ。
だから、ドイツの「最後の半歩」で、より効果的に、先読みされてしまう。
それに対して、ドイツの「人とボールの動き」は、とてもスムーズで速い。
そう、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。
要は、「出して動く、出して走る」が(これは、フロンターレ鬼木達のキャッチフレーズ!?)、徹底的に、そして深く、彼らの「イメージング」に入っているっちゅうコトだね。
そう、だから、ワンツーを積み重ねるというイメージ描写も、あてはまる。
ワンツーを多用することによる、効用。
それは、もちろん、選手たちの感性を、「動き」に対して研ぎ澄ましていくコトだよね。
だからこそ、次の動きが、活性化し、それが、最終勝負での、3人目、4人目の「決定的フリーランニング」につながる。
そんなグラウンド上の現象を体現できるかどうか・・
それは、もちろん、監督のコンセプトが、いかにうまく、チーム全体で「シェア」できているかという一点に集約される。
強烈な激しさ(エモーションの爆発!?)と、それとは真逆の「冷静さ」が同居する、優れたプロコーチ、ユリアン・ナーゲルスマン。
わたしも、国際会議などで、体感している。
そのエネルギッシュな「アプローチ」と、次の瞬間に魅せる「冷静さ」との「落差」は、インプレッシブの極みだったね。
そんな、指揮官の、心理・精神的バックボーンの「二面性」については、「このコラム」も、ご参照あれ。
もう一つの、微妙な「僅差」・・
それが、組織プレーのなかで、タイミングよく表現される、個の勝負プレー。
まあ、ドリブル勝負とか、「勝負のタメ」とかいった、とてもリスキーな個の勝負プレーね。
その視点でも、ドイツに、一日の長があると感じた。
そんな、「組織と個のバランス」を演出するのが、トニー・クロース、イルカイ・ギュンドアン、そしてジャマル・ムシアラで構成する、中盤トリオなんだね。
彼らは、創造的なパスと「個の勝負プレー」を、巧みに、ホントに、巧みに、組み合わせる。
そして、相手の「読み」を翻弄する。
この、ナーゲルスマン・ドイツ・・
たしかに、強烈な「スーパー才能」は、見当たらない。
それでも、チーム全体で、正確に、そして創造的に「シェア」する、チーム戦術イメージングは、一流だ。
さて、そのホストカントリーのドイツが、ベストエイトまで勝ち進んだ。
ここから、本当の「勝負」がはじまる。