2023_J2_第25節・・ダゾン試合後インタビューで、「勝ちたかった」と、悔しそうに語っていた城福浩の「姿勢」こそ、明日の日本サッカー希望の礎なんだ・・(町田vsヴェルディ、2-2)
超絶の「徹底(戦術)サッカー」・・
黒田剛ゼルビアを、そう表現したことがある。
徹底した(戦術)イメージング・・
そう、ボール奪取プロセス(守備)でも、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)においても・・
ボール奪取プロセス(守備)では・・
ブロック守備では、「寄せ」と、周りのマーキング&カバーリングを徹底させる。
でも、彼らの場合は、「ブロック守備」もそうだけれど、それだけじゃなく、「ここぞっ!!」の(ボール奪取)勝負所へのブチかましも「徹底」しているんだ。
前半に奪い切った2ゴールともに、まさに、「それ」をベースにしたショートカウンターだった。
そこでの、徹底ポイント。
それは、「ボールを奪い返せるっ!」って感じた複数のチームメイトが、「結果」を待たずに、前線へ飛び出していくサポートが、忠実の極みなんだよ。
そう、ボールを奪い返した「次の瞬間」での仕掛けイメージングが「徹底」しているっちゅうコトね。
だから彼らは、躊躇なく、前線へのタテパスを送り出すっちゅうわけだ。
もちろん前線も、躊躇なく、決定的スペースへ、全力スプリントをスタートする。
また一発ロングを活用した仕掛けプロセスも、「徹底」している。
そこにゃ、「あのエリキ」がいるし、このゲームでは出場停止だった「あの」ミッチェル・デュークもいる。
黒田剛ゼルビアのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、とにかく、「個のチカラ」を徹底的に活用し尽くそうとする。
その典型が、エリキのスピード、ミッチェル・デュークの高さ。
そして、彼らの周りを、全力でサポートする(常に複数の!)チームメイトたち。
あっと・・
彼らの「ブロック守備」も、まさに徹底の極みだっちゅうポイントも忘れちゃいけない。
寄せと、連動するマーキング&カバーリング、忠実な、協力プレスの集散、そして強烈な局面デュエルなどなど・・
わたしは、そんな黒田剛ゼルビアの、「勝つことだけ」をターゲットにする「徹底(戦術)サッカー」を、すこし苦々しく思っているんだ。
そう、勝つこと「だけ」をターゲットにする、徹底(戦術)サッカーね。
そんなサッカーには、サッカー本来の美しさ(魅力)を支える、創造性、想像性などを発展させるリソースは、そんなに多くはないんだよ。
わたしは、フットボールネーションにおいて、そんなサッカーで、「結果」を残したチーム(プロ監督)を知っている。
でも、結局、彼らのなかで、サッカーの歴史に名を残したのは、数えるほどしかいない。
また、(アチラの)サッカー界にも、(サッカーの発展を阻害する!?)そんな徹底(戦術)サッカーを、抑制しようとする「ムーブメント」があったことも、よく知っている。
とにかく、すべてのプロコーチは、「美しく勝つ」コトを志向しなきゃ、いけないんだよ。
わたしは、いくら「原理主義者」などと罵倒されようが、その基本的な考え方は、変えない。
もちろん、これは、とても難しいディスカッションテーマではあるけれど・・さ。
そんな黒田剛ゼルビアに対し・・
そう、我らが、城福浩ヴェルディは、立派な、美しい質実剛健サッカーをブチかました。
たしかに何度か、黒田剛ゼルビアの術中に「はまりかけ」はしたけれど、最後は、われわれ(真面目で進歩的な!?)サッカー人の溜飲を下げてくれた。
彼らは、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、しっかりと、「組織プレーと個の勝負プレーのバランス」を前面に押し出し、サッカー本来の美しさを体感させてくれたんだよ。
とにかく彼らは、しっかりと、人とボールが動かせていた。
そして、それをベースに、スペースを攻略し、そこから、パスやドリブルで、効果的な最終勝負をブチかましていったんだ。
もちろん、「個の才能」を、活用し切ろうとする黒田剛の「やり方」を全面否定するわけじゃない。
それでも、定型のないサッカーでは、やっぱり、選手個々の「イメージング」こそが、レスペクトされなきゃいけない。
そう、究極の「主体性プレーの集合体」こそが、望まれるコンセプト・・ってな発想ね。
それがあって初めて、選手たちに、ホンモノの「プレーする喜び」を、体感させられるんだ。
そして、その喜びこそが、「主体性プレー」を充実させ、サッカーを進化&深化させる。
この大原則については・・
ドイツ史に残るレジェンドプロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーだけじゃなく・・
これまたオランダ史に残るレジェンドプロコーチ、故リヌス・ミケルスから、個人的に、繰り返し、教え込まれたモノさ。
そうそう・・
ダゾン試合後インタビューで、城福浩が、悔しそうに、「勝ちたかった」って語っていたっけ。
そんな、指揮官の「意地のこだわり」もまた、ホンモノの「良いチーム」を創りあげる原動力なんだ。