2023_U22_親善・・前半と後半の「内容ギャップ」にこそ、深いコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていた・・負けたからこそ、勝負感性を積める貴重な学習機会ではあった・・(日本vsベルギー、2-3)
フ~~ッ!!
ベルギーにブチ込まれた3点とも、完璧な「ショートカウンター」だった。
それには、深いバックボーン要素が、ありそうだ。
それにしても・・
エネチケー解説を担当した、福西崇史。
内容が、秀逸だった。
とにかく、よく考え、サッカーの深いトコロを、しっかりと自分のモノにしている。
まあ、早稲田大学の大学院を、サッカーの「深み」を卒論テーマに卒業したコトだけでも、その「深さ」が分かろうと言うモノだね。
その彼が、前半の、ベルギーに「やられまくった」ゲームを観ながら、こんな分析をしていた。
・・とにかく「寄せ」が甘い(マーキングが甘い!?)・・
・・だから、協力プレスが効かないし、局面デュエルでも勝てなくなっちゃう・・
・・中盤が、「前」で勝負しているのに、後方の最終ラインが「待ち」の姿勢・・
・・それじゃ、その間のスペースを突かれるのも当たり前(まさに、ソレで2失点!!)・・
わたしは、そんな福西崇史の解説を聞きながら思っていた。
・・そう、その通り・・
・・ボール奪取プロセス(守備)アクションが、うまく「シンクロ」していない・・
・・だからスペースを攻略されちゃう(フリーなボールホルダーを創られちゃう!)・・
・・だから、タテへの仕掛けパスを、狙われてボールを失い、そこからのタテパスで、ショートカウンターをブチかまされちゃう・・
・・などなど・・
また、やっぱり、(これは私の表現だけれど・・)最後の半歩が、甘い。
最後の半歩・・
もう何度も書いたけれど、それは、決定的パス&クロス、シュートをブロックするコトだけじゃない。
そうではなく、ボール奪取プロセス(守備)において、常に、次、その次をイメージングすること。
そう、予測(予想)・・
また、その「イメージング内容」を、チームメイトと、うまく「シェア」できること。
イメージングの「シンクロ状態」を高揚させる・・っちゅうことかな。
でも、そんなジリ貧の前半サッカーに比べ・・
そう、後半の若武者たちは、前半のネガティブ要素を、完璧に払拭したんだよ。
そこでは、たぶん・・
前半32分に、右サイドバックの中村拓海を、内野貴史と交代させるってな、強烈な「刺激」もあったんだろうし、ハーフタイムでの大岩剛の「檄」が効いたコトもあったんでしょ。
そして後半、若武者たちの「闘う意志」が、何倍にも高まった。
もちろん、二点をリードしていたベルギー若手代表の「意志」が、少しダウンしたコトもあった。
私は、後半の大岩剛ジャパンの「闘いっぷり」は、確実に、次につながるって感じていた。
そこじゃ・・
ボール奪取プロセス(守備)の取っ掛かりである、「寄せ」の勢いが倍増したっちゅう事実の背景コンセプトを、しっかりと理解しなきゃいけない。
そう、若武者の一人ひとりが、例外なく、次のハードワークを「探しまくる」ってな、素晴らしい「主体性プレー」を魅せつづけたんだよ。
だからこそ・・
そう、すぺての「局面デュエル」で、無様に「負ける」ことがなくなった。
前半では、「それ」がダメだったからこそ、チーム全体の「闘う意志のポテンシャル」も、どんどん落ち込んでいったんだよ。
サッカーは、究極の「心理ゲーム」。
だからこそ、主体性プレーを絶対ベースにした相互信頼が、ものすごく重要なんだ。
わたしは、ネガティブな「心理ヴィールス」って呼ぶけれど・・
一人でも、ホントに一人でも、「寄せ」に、「闘う意志」が感じられなかったら、そのネガティブ・ヴィールスが、すぐに、チーム全体に波及しちゃうんだ。
もちろん、ゲーム全体で、常に「前からプレス」をブチかませ・・って言っているわけじゃない。
このところのコラムで、いつも強調しているように、「行くトコロ」と「待つトコロ」のメリハリが大事なんだよ。
そして、その「メリハリ感性」を、チーム全体が「シェアしている」コトも・・ね。
とにかく、後半の若武者たちは・・
そんな「闘う心理チェーン」がつながったわけだから、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に勢いが乗っていくのも道理。
そう、ソコでモノを言うのが、ボールがないところでのアクションの量と質。
その内実(フリーランニングの中身!)が、人とボールの動きを「加速」させる。
そして、スペースを攻略してからの個の勝負にも、勢いが乗っていく。
勝負ドリブル、タメ、そして勝負パスやシュート・・等など。
特に・・
そう、藤田チマが中心になった、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが秀逸だった。
何度、その「プロセス」で、フリーなボールホルダーを創りだした(スペース攻略!)ことか。
でも、勝負では・・
たしかに、最後は、「例の」ショートカウンターで決勝ゴールをブチ込まれちゃったけれど・・
それでも、内容的には、とても価値のある「学習機会」だったという事実は、消えない。
大岩剛だけじゃなく、選手諸君も、この「悔しい体感」を、心に刻み、次、その次に、活かしていきましょう。