2023_J1_第10節・・前後半でのゲーム内容の「逆流」という興味深い現象・・サッカーは、究極の「心理ボールゲーム」というテーマね・・(マリノスvsグランパス、1-1)

やっぱり、サ・・

ボール奪取プロセス(守備)の内容によって、ゲーム(サッカー)の内実が決まっちゃうんだよ。

だからこそ私は、サッカーが、究極の「心理ボールゲーム」だって呼ぶわけさ。

そう、「気持ち」が、いかにサッカー内容に大きく作用するかっちゅうディスカッション・・ね。

皆さんも観られたとおり、前半と後半では、ゲーム内容が、まさに逆流したわけだよね。

前半は、完璧に、長谷川健太グランパスのモノだった。

対するケヴィン横浜マリノスは、まさに、為す術がなかった。

そうね、こんな表現もアリかな・・

いつも書いているように、相手のボール奪取プロセス(守備)が風雲急を告げていることで、相手にイニシアチブを握られつづけているっちゅう体たらく状態。

そんなジリ貧の状況を「打開」していく術もまた、ボール奪取プロセス(守備)にあるんだ。

そう、相手に輪を掛けた「勢い」で、前、次、その次(周りのマーキングとカバーリングのコトね)ってな感じで、爆発的に「寄せ」ていくんだよ。

それこそが、ゲームペースを「奪い返す」ための、唯一の方策なんだ。

そのテーマについては、「The Core Column」で発表している、このコラムも、ご参照あれ。

主役は、例によって、ラモス瑠偉・・ね。

そうね・・

このディスカッションは、グラウンド上の「リーダーシップ」っちゅうテーマと、同義かもね。

ということで、このゲームについては・・

まず何といっても、前述の、ボール奪取プロセス(守備)というテーマをビックしたかった。

次にピックしたかったのが、ハーフタイムの奇跡・・

そう、そこでの、ケヴィン・マスカットの(心理的な)チームマネージメントのコトね。

ダゾン・リポーター、日々野真理さんが、ゲーム後インタビューで、その辺りを聞いた。

でも・・

そう、ケヴィンは、当たり障りのない内容を、口ごもりながら語っていたっけ(笑)。

たぶん、そこでの「檄」は、レベルを超えていたはず。

・・なんで、遅れているんだ~~っ!!・・

・・もっと、前から寄せていけ~~っ!!・・

・・そのスイッチに応じて、周りも、しっかりと反応しろ~~っ!!・・

・・とかね。

ケヴィン・マスカットは、現役時代、とてもアグレッシブ&エモーショナルな選手として知られていたよね。

その彼の、ハーフタイムに、更衣室へ戻るときの表情からは・・

そう、日々野真理さんの質問に答えたような「冷静な」指示を出したとは、思えネ~~よな。

へへっ・・

わたしは、ヨーロッパの「現場」で、「ハーフタイムの奇跡」を、何度も体感しているんだよ。

もちろん、決定的な「戦術的アドヴァイス」は、大事だよ・・

でも、やっぱり、そこで、もっとも重要なのが、心理的メッセージなんだ。

あっと、長谷川健太グランパス・・

逆に、後半の彼らは、うまく、イニシアチブを握り返せなくなったよね。

それもまた、とても興味深い、グラウンド上の現象ではありました。

最後に・・

このところ、実況でよく聞く「マンマーク」っちゅう「表現」。

わたしは、マンマークっちゅう表現からは、「オールコート・マンマーク」っちゅうニュアンスを感じてしまうんだ。

オレッち、サッカーの、オールドタイマーだからね。

いまでも、あるけれど・・

そう、相手の「キーマン」に対する、オールコート・マンマーク。

まあ、例を挙げれば・・

ディエゴ・マラドーナに対する、W杯決勝での、ギド・ブッフヴァルトと、ローター・マテウスの「オールコートマンマーク」ね。

あっと・・

1974年、西ドイツW杯決勝じゃ、「あの」ヨッハン・クライフを、まさにスッポンのように、オールコート・マンマークで無力化したドイツ選手も、いたよね。

そう、ベルティ・フォクツ。

当時の代表監督、ヘルムート・シェーンの隣に座っていた、ヘルベルト・ヴィドマイヤーさんが、後から、そのときのハナシをしてくれた。

・・オレたちは、ベルティのお陰で優勝できたっちゅう側面があるコトを無視しちゃ、いけない・・

・・そのコトは、チーム内で、しっかりとシェアされていたし、仲間全員が、感謝していたんだ・・

ヘルベルト・ヴィドマイヤーさんからは、サッカーの教えを請うただけじゃなく、色々な重鎮の方々にも、紹介してもらったっけ。

いまでも、感謝していますよ。

あっと・・

まあ、このゲームからピックするテーマは、そんなトコロでしたかね。

長谷川健太グランパスが、前半、マリノスの「人とボールの動き」を、完璧にイメージし、その「流れ」を潰しつづけたコトも含めてネ。

ということで・・

素晴らしく内容のある魅力的なサッカーを魅せてくれた、両チーム選手、監督さんに、同じサッカー仲間として、心からの称賛と感謝の拍手をおくります。