2025_J1_ (変則)第5節・・「J」にとっての、素晴らしいプロモーションマッチだった・・両チーム選手諸君、監督をはじめとしたスタッフ諸氏に対し、同じサッカー 人として、心からの称賛と感謝の拍手をおくります・・(フロンターレvsマリノス、3-3)

スゲ~、ドラマチックな勝負マッチ・・

そんな、ギリギリのせめぎ合いのなかで、わたしは・・

マリノスのサッカーが、よくなっているって感じていた。

その「内容アップの骨子」だけれど・・

わたしの眼には・・

スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、ボールがないところでのアクションの量と質が、「より」アクティブになっていると映っていた。

そう、いくらイニシアチブを握ってボールを支配したからといって・・

最終勝負プロセスでは、やっぱり、シュートにつながる、パス(ラストパスやクロスなど)を受けるための、ボールがないところでの「動き」こそが、雌雄を分けるっちゅうわけだ。

その視点で、これまでのマリノスは、その「最後の勝負の瞬間」における動きが、淡泊にすぎた。

でも、この試合では・・

最前線スペースに入り込んだ選手たちが、すべからく、「オレにパスをよこせっ!!」ってな、強烈な「意志のオーラ」をブチかましていたって感じた。

そう、そんな、目立たないトコロでの「ボールなしの動き」が勝負を決めるという事実は、選手たちが、より深く、そして切実に体感しているっちゅうコトなんだろうね。

マリノス、スティーブ・ホーランド監督の、優れた仕事が、見える、見える・・

対する長谷部茂利フロンターレも、例によって、攻守にわたって、高質な「組織サッカー」を魅せた。

さて~~・・

そんなスーパードラマだけれど、それは、前半7分のフロンターレ先制ゴールからはじまった。

マリノスのヤン・マテウスが出した横パスを、フロンターレ中盤の伊藤達哉がインターセプト・・

伊藤達哉は、左サイドを駆け上がるマルシーニョへ、シンプルなタイミングで、展開する。

そして、マルシーニョは、そのまま左サイドから、中央ゾーンへ切れ込んでいき、シュート性のラストパスを通そうとするんだ。

でも、そのパス(シュート!?)は、マリノス守備の足に当たって、こぼれてしまうんだよ。

そして、そのボールが、あろうことか、後方からオーバーラップしてきた、フロンターレ大関友翔の「足許」に入ってしまったっちゅうわけだ。

「薄い可能性」にかけて、最前線まで押し上げた大関友翔に、拍手。

逆に、マリノス守備にとっては、これで、万事休す。

そして、初スタメンを勝ちとった大関友翔が、ワントラップから、悠々と、ゴールへのパスを決めたっちゅう次第。

そう、前半7分ってな早いタイミングで、ホームのフロンターレが、リードを奪ったんだ。

その先制ゴールを観ながら、こんなコトを思っていた。

・・いやいや、マリノスが、立ち上がりから魅せている、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)の内実からすれば、ヤツらが、このまま沈み込んでしまうはずがない・・

そして、案の定。

ダイナミックなボール奪取プロセス(守備)を絶対ベースに、マリノスの攻勢が、勢いを増していったんだよ。

完璧に、ゲームのイニシアチブを握る、マリノス。

でも、まだまだ、ゴールは遠かった。

たしかに、前述したように、最終勝負プロセスは、ボールがないところでのアクションの優れた量と質に支えられ、明確に改善している。

それでも、フロンターレ守備は、優れたプロコーチ長谷部茂利に鍛えられ、とても、頑強なんだ。

だから、どうしても、ボールがないところでの競り合いに勝ち切れず、簡単にはゴール機会を創りだせないマリノスなんだ。

でも・・

そう、そんな「仕掛けプロセスが弾けない」なかで、威力を発揮したのが、個のドリブル勝負だった。

ヤン・マテウス・・

カットインの勝負ドリブルから、最後は、意を決したミドル弾を、ブチかましたんだ。

そのシュートが、攻守両プレイヤーの「股」を抜けたことで、名手チョン・ソンリョンのセービングを「遅らせ」、彼の手が届かないゴール右隅に、吸い込まれていった。

まさに、ゴールに吸い込まれていくってな雰囲気の、テクニカルシュート(41分)。

まあ、そこまでのゲーム展開(マリノスの支配!?)からすれば、まさに、順当な同点ゴールではあった。

ここで、もう一つのテーマ・・

近年の、強固な守備ブロックだからこそ、「エイヤッ!!」の、ミドル弾やロング弾の「価値」がアップしているっちゅう事実。

実際・・

そう、フロンターレが、まさに、目の醒めるような、スーパーロング弾(勝ち越しゴール!)を、セサル・アイダルが、ブチ込んだんだ。

マリノスの名手、パク・イルギュも、まったくノーチャンスってな、25メートルを超えるスーパー・ロング弾だった(67分)。

そして私は・・

この、ヤン・マテウスとセサル・アイダルによる、二つの中距離キャノンシュートに、いまの堅牢な守備が支配的なサッカーで、より効果的にゴールを奪える「可能性」を観ていたっちゅうわけだ。

その後の、マリノスがブチかました、同点(89分)&逆転ゴール(92分)・・

そして、ロスタイムが終わろうとしていたタイミング(100分っ!!)で・・

フロンターレの若き代表選手、高井幸大が、同点ヘディングゴールをブチ込むんだ。

そんな面食らうようなゲーム(勝負)展開に、気持ちが、追いつかない筆者だった。

その高井幸大の、異質なくらの「高さ」を魅せた圧倒的なヘディングシュートだけれど・・

ダゾン解説の福田正博も言っていたように・・

高井幸大が、そのヘディング・スポットに至るまでに移動した、距離とルート、そしてマーカーを振り回す「強烈な意志」に、舌を巻いていたっけ。

この試合・・

第5節の、アフター・リピート・マッチではあったけれど・・

こんなスーパーエキサイトメントを魅せてくれるなんて・・

これぞ、まさに、プロサッカーの真骨頂じゃないか。

ホントに、「J」にとっての、素晴らしいプロモーションマッチだった。

両チーム選手諸君、監督さんをはじめとしたスタッフ諸氏に対し、同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手をおくっていた筆者だったのであ~る。

へへっ・・