2024_J1_第31節・・死力を尽くした闘い・・とにかく、ミハイロ札幌コンサドーレには、最後の時間帯、勝負に徹するゼルビアの二つのヘディングシュートが決まらなかった幸運を、「次」につなげていこうと言いたい・・(ゼルビアvsコンサドーレ、0-0)

レビュー 最後の時間帯・・

まあ、コンサドーレ鈴木武蔵がブチかましたカウンターが決まりかけた後ね。

そこでは、ゼルビアが、何度か、彼らの「ツボ・チャンス」から、ゴールを陥れそうになった。

そう、サイドからのラストクロスや、クロスボールからの、ヘディングシュート。

ゼルビアの監督さんは、カウンターやセットプレーだけじゃなく・・

流れのなかでも、とにかく「統計的な確率が高い仕掛け」に集中する。

もちろん、それは、「人とボールの動き」なんかではなく、あくまでも、クロスからの勝負。

一発で決められれば言うことはないけれど・・

そのハイクロスが送り込まれるシーンじゃ、中心になる長身プレイヤーの周りで、何人ものゼルビア選手が、ものすごい集中力で、「こぼれ」を狙っている。

そこでの、鬼気迫る「意識と意志ポテンシャルの爆発」は、ホントにすさまじい。

でも、逆に、ゼルビアの監督さんは・・

それ以外の(統計的に確率が低い!?)、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)や、リスキーなプレーには、なるべくチャレンジしないよう、徹底させている!?

彼らのサッカーでは、とにかく攻守にわたり、「可能性がもっとも高いプレー」を徹底的に追求する。

例えば、こんな感じ・・

・・失点しないために、何が、もっとも大事な「徹底」ファクターか・・

・・ボール奪取プロセス(守備)では・・

・・それを突き詰め、選手たちのイメージングに、深く浸透させている・・

・・だからこそ、超速の攻守の切り替え(トランジション)&全力での戻り、超絶に忠実なチェイス&チェック(寄せ)、強烈なマーキング&カバーリングなど・・

・・ボール奪取プロセス(守備)での、もっとも重要な実効プレーを、徹底的に追求する・・

・・もちろん、局面デュエルで、決して負けないという覚悟も、徹底的に追求しているはず(だから、ファールが多い)・・

・・ゼルビアでは、チェイス&チェック(寄せ)に、全力を傾注しない選手は、決して使われない(!?)・・

・・また、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、可能性の高いプレーを、徹底する・・

・・監督さんは、サッカーの「美しさのリソース」でもある、「人とボールの動き」などは、単なる「無駄なパスプレー」と解釈しているかもしれない・・

・・そして、前述した、もっとも確率の高い「仕掛け」に、徹底的に取り組むんだ・・

そんなゼルビアのサッカー。

わたしは、勝つこと「だけ」をターゲットにする、超絶の「徹底(戦術)サッカー」と、呼ぶ。

以前に、何度か書いたと思うけれど・・

わたしは、50年近い、ドイツサッカーとの関わりのなかで・・

何度も、ホントに、何度も、「こんな」徹底(戦術)サッカーを、体感してきた。

もちろん、勝負強さばかりが注目されていた当時でも、美しさと魅力を内包する「クリエイティブな組織サッカー」が大前提だったんだよ。

それについては、以前のコラムも、ご参照あれ。

あっと・・

そんな、ドイツのプロサッカー発展プロセスのなかで・・

「勝てば官軍」などと嘯(うそぶ)く輩による、まさに、「あだ花」のような、徹底(戦術)サッカーが注目されたこともあった。

わたしは、「それ」を指揮したプロコーチも、個人的に、よく知っているし、そのことについて、何度も語り合ったモノさ。

まあ、そこでの結論じみたコトには、ここじゃ、触れないけれど・・ね。

とにかく、そんな「あだ花サッカー」を指揮したヤツら・・

わたしは、彼らが、当時のドイツサッカーの重鎮(レジェンド)プロコーチに、激しく糾弾された経緯も、体感させてもらっている。

とても、エキサイティングな、経験ではあった。

まあ、ということで・・

いまのゼルビアが、当時の「あだ花サッカー」に、かなり似通った「存在」と、言えるかもしれない。

とにかく、わたしにとっては・・

そんな、日本サッカーの「進化&深化」をリードできるはずのないサッカーが、最高峰リーグにおいて、優勝レースのイニシアチブを握っているのは、とても、苦々しい現象なんだよ。

とはいっても、徹底しているからこそ・・

仕掛けの「ツボ」にはまりそうになるシチュエーションでの、彼らの「意識と意志ポテンシャルは、まさに天井知らず。

勝負には、とても、とても、強いのは、確かな事実だ。

そして、前半立ち上がりの、カウンターからの一発チャンスや、前述した、残り時間わずかなところでの「一発クロス攻撃」が、功を奏しそうになるシーンを、苦々しく、観ているのさ。

フ~~ッ・・

でも、そんなネガティブニュアンスとは別に・・

これは、単なる印象かもしれないけれど・・

選手の「質」が充実するにしたがって、ゼルビアのサッカーにも、創造性という、美しさと魅力の絶対リソースが、表現されるような傾向「も」みえはじめた!?

そんな印象が、残ることも増えているんだ。

まあ、ここからだね。

あっと、ミハイロ札幌コンサドーレ。

よく闘った。

たしかに・・

前述したように、前半の立ち上がりでは、何度か、ボール奪取を「あせり過ぎた」ことで、置き去りにされ、絶対ピンチを招いてしまったプレーは、いただけない。

でも、それ以降は、しっかりと「自分たちのサッカー」を取り戻し、逆に、ゴール機会も創りだした。

言いたかったコトは・・

このゲームで彼らが魅せた、最悪サッカーからの「立ち直り」こそが、掛け替えのないポジティブ体感だったということ。

もちろん、普通(これまで)だったら・・

あの、ミッチェル・デュークと杉岡大暉がブチかました二つのヘディングシュートで、ゼルビアに、勝負を決められていたんだろうけれど・・

このゲームでの、ミハイロ札幌コンサドーレの「意識と意志ポテンシャル」の、素晴らしい「爆発」に、神様が、ご褒美をくださった!?

とにかく、この「勝ち点1」には、またまた、ロジックでは量りきれない、何らかの「意味」が込められていたって、確信している筆者なんだよ。

そう、まだまだ・・

ガンバレ~、ミハイロ札幌コンサドーレ~~っ!!