2024_EURO_13・・ ブランド国が、最後は(!?)ベストエイトに駒を進めたけれど・・両チームでは、守りに入る相手を「ねじ伏せる」プロセスに、違いが・・(イングランド vsスロバキア、2-1)(スペインvsジョージア、4-1)
イングランド・・
実力で、優るとも劣らないスロバキアが、イングランドを、ギリギリまで追い詰めた。
そう、ゲームの実質的な内容では、スロバキアが、上回っていたとも言えそうなんだ。
特にゲームの立ち上がり・・
彼らは、イングランドを圧倒した。
何といっても、そのダイナミックなボール奪取プロセス(守備)。
選手たちの勝負イメージングが、有機的に「連動」していると感じられる。
だから、ボールへの「寄せ」を起点に、次、その次と、どんどんと、プレスの輪が、効果的に縮まっていくんだよ。
そして、ボールを奪い返してからのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、人とボールを活発に「動かす」ことで、イングランド守備を、翻弄するんだ。
前半の展開・・
まあ、たしかに、イングランドがボール保持率では上回ったけれど、とにかくスロバキアのカウンター気味の仕掛けには、優れたイメージングが満載だったんだよ。
ということで、ゴール機会という視点じゃ、スロバキアが、イングランドを凌駕したと言える。
とはいっても、そこは、サッカーの母国イングランド。
そんな厳しいゲーム展開のなかでも、しっかりと、伝家の宝刀を抜いた。
前半23分。
そう、鋭いクロスと、ハリー・ケインの「ゴールへの臭覚」が、光り輝いたんだ。
その鋭いクロスが「上がってくるかも」という瞬間・・
一歩「引いた」ポジショニングのハリー・ケインが、爆発した。
そう、彼をマークする相手の、「眼前スペース」へ・・
まあ、相手も、負けじと、その最終勝負スペースへ、身体を「ねじ込んだ」ことで、ハリー・ケインのヘッドシュートを、身体に当てて防ぐことができたわけだけれど・・
そのシーンには、何というか、イングランドの伝統の重みを感じさせられていた筆者だった。
でも、先制ゴールは、スロバキア。
前半25分。
後方から最前線への、アバウトな「放り込み」。
それを、クツカがヘッドで流し、そのこぼれ球を拾ったストレレツが、抜群のクリエイティビティを発揮するんだ。
その瞬間、左サイドには、フリーの選手が、身構えている。
イングランド守備は、その逆サイド選手に、守備イメージング(視線)を引きつけられる。
次の瞬間・・
ボールホルダー(ラストパサー)のストレレツは、左サイドのフリーな味方に「視線を飛ばしながら」、後方から、決定的スペースへ走り抜けたシュランツへのラストパスを決める。
このラストパスは、まさに「ウルチカパス」だった。
そして、受けたシュランツが、冷静に、イングランドゴール左隅に、流し込んだっちゅう次第。
素晴らしい先制ゴールではあった・・
その後は、もうイングランドが攻勢の限りを尽くすんだ。
その、50分・・
素晴らしいコンビネーションから創りだしたゴール機会は、オフサイド・・
また、78分の、FKからハリー・ケインが放ったフリーヘッドは、僅かに左ポストを外れた。
81分には、デクラン・ライスのミドル弾が、左ポストを直撃した。
でも、敗色濃厚のイングランド・・
そんなタイミングで、コトが起きた。
ロスタイム95分・・
ロングスローを、センターバックのマーク・グエヒが、アタマで流し・・
そのボールを、ジュード・ベリンガムが、オーバーヘッドキックで(!)、見事に、スロバキアゴールの左へ、ブチ込んだんだ。
オーバーヘッドキックだぜっ!!
その同点ゴールを観ながら、思っていた。
このドラマは、イングランドの勝利となって完結する。
そのとき、わたしは、そう感じていた。
そう、そこから、劣勢の極みだったイングランドが、決勝ゴールをブチ込むっちゅう、ドラマチックな展開へと、ゲームが成長していくんだ。
決勝ゴールだけれど・・
それも、例によっての、ハリー・ケインのヘディングシュートで・・
そのとき、そのシーンが、目に見えるようだった。
ホントだよ・・
へへっ・・
そして延長1分。
まさに、そんな私の変なイマジネーションが、現実のモノになっちゃうんだ。
CKポイントの近くからの、イングランド、パーマーのフリーキック。
上げられたボールを、スロバキアGKが、パンチングで弾く・・
そのボールを、後方にポジショニングしていた(交替した)エゼが、ミドル弾をブチ込もうと、思い切り、足を振り抜く・・
でも、うまく当たらなかったボールが、運よく、ゴール前に張っていた(これまた交替出場した)トニーのアタマへ向かっていく・・
そして、トニーが、ヘディングで、逆サイドへ流したトコロに・・
そう、誰あろう、「あの」ハリー・ケインが、走り込んでいたんだよ。
決勝ゴールッ!!!!
このシーンについて、アベマ解説の、槙野智章が・・
・・ケインは、走りつづけていましたよね・・
素晴らしい解説。
まあ、実際には、ハリー・ケインが、誰よりも速く「爆発」したっちゅうコトなんだけれどネ。
要は、トニーからの、折り返しヘディングが「来るかも」というイメージングで、スッと身体が動いたっちゅうコトね。
槙野智章は、その現象を、「動きつづけていた・・」って表現した。
まさに、おっしゃる通り。
そして、わたしが思い描いた(!?)シナリオで、エキサイティングな逆転ドラマの幕が下りた。
あっ、そうそう、ドラマといえば・・
しつこいけれど、以前、こんな「ストーリー仕立てのドラマ」を、「The Core Column」で、アップしたことがあったっけ。
へへっ・・
さて、引いて守る相手の崩し方・・というテーマ・・
どちらかといったら・・
まあ、「チカラ業」で、「こじ開ける」ってなニュアンスの方が強い、イングランドに対して・・
スペインは、ニュアンス(サッカーのクオリティーに!?)に違いを魅せた。
まあ、簡単に・・
やっぱり彼らの、引いて「守りに入る」相手に対するスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、素晴らしく高質でスマートだったという視点。
そう、彼らは、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに象徴される、美しい組織プレーのなかに、必殺の個のドリブル勝負を、クレバーにミックスするんだ。
その、「組織と個のバランス」には、サッカーの進化&深化を象徴すべき、美しさが溢れていた。
とにかく、彼らが展開した、人とボールの動きが、スマート&クレバーだったんだよ。
堪能した。
まあ、たしかに、先制ゴールは、スペインの自殺点で、ジョージアが挙げたわけだけれど・・
その後のスペインが魅せた、落ち着き払ったスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、見事の一言だった。
さて、ということで・・
そんな、強い、強いスペインは、次の準々決勝で、もう一つの優勝候補、ホストカントリーのドイツと対峙する。
これって・・
そう、わたしの眼には、実質的な「決勝戦」と映る。
残念だけれど、仕方ない。
とにかく、この準々決勝には、世界サッカーの進化&深化をうながす、価値あるリソースとして語り継がれる、スーパーエキサイティングな勝負マッチを期待します。