2024_EURO_4・・実力チームの、ベルギーとフランスについて、簡単に・・(ベルギーvsスロバキア、0-1)(オーストリアvsフランス、0-1)

まずベルギーから・・

たしかに、攻守のバランスだけじゃなく、「組織プレー」と「個の勝負プレー」のバランスも特筆の、とても強いチームだ。

でも・・

そう、相手のスロバキアがブチかます「徹底サッカー」に、うっちゃられてしまった。

たしかに、二つも、VARによる「ゴール・キャンセル」はあったけれど、わたしは、スロバキアの徹底サッカーに、舌つづみを打っていた。

とにかく彼らは、王道の美しい質実剛健サッカーという「ベクトル」を、しっかりと踏襲しているなかで、徹底的に「勝負サッカー」にこだわったんだよ。

そう、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、しっかりと人とボールを動かしながら、「王道の仕掛け」を、徹底的に追求しつづけたんだ。

彼らは・・

変な・・

「寄せ・命」とか「タテへの仕掛け・命」ってな、偏った「徹底」ぶりじゃなく・・

あくまでも、美しい質実剛健サッカーという「王道ベクトル」に乗ったサッカーなんだよ。

ところで、スロバキア。

わたしの時代は、両国が別れる前の、チェコスロバキアだった。

そして、その頃の彼らの「売り」は、「ウルチカ・パス」だったんだよ。

「小径を通すパス」っていう意味らしいんだけれど・・

とにかく、そのベクトルに乗った、美しい「人とボールの動き」は、秀逸だったし、多くのチームが、その「動き」によって、振り回され、スペースを攻略されちゃったよ。

胸がすく、鮮やかな組織サッカー(ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション)だった。

あっと、そうそう・・

これまた、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)における、「発想的」な王道なんだけれど・・

相手ディフェンスを、しっかりと振り回し、その「逆」を突くような「動き」でスペースを攻略しようとする基本的な「発想」ね。

そんな戦術的な「イメージングの基礎」があるからこそ、逆に・・

「あの」強力な、ベルギーのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)も、抑え切れたと思う。

ところで、一点をリードされたベルギー・・

その、スロバキアに奪われた決勝ゴール場面は、まさに「自業自得」だったわけだけれど・・

それ以降は、時間が「押してくる」という状況に、どうしても、個の「突貫小僧ドリブル」が目立つようになっていった。

そうなったら、もう、スロバキア守備の、思うつぼでしょ。

前半立ち上がりや、その後に、ベルギーが創りだした「ゴール機会」の内実は、ホントに、鳥肌が立つくらい素晴らしかった。

でも、その後は、まさに、鳴かず飛ばず。

個の「突貫小僧ドリブル勝負」ばかりが目立ってしまった。

まあ、「あの」実力チームのベルギーだから・・

こんな苦境を、智将ドメニコ・テデスコが、逆に「チャンス」として、逆利用しちゃうだろうけれどね。

そう、追い込まれ、最高の「集中力と緊張感」で勝負マッチに臨んだときのベルギーは、強いよ。

――――-

さて次は、フランス。

たしかに、微妙に、フランス側に「実力アドバンテージ」があるとは感じられた。

その根拠は、もちろん、「個の才能」。

でも、「組織」というファクターへ視線を向ければ、その差は、たしかに、極小だ。

前述の、ベルギー対スロバキア戦でも感じたけれど・・

とにかく、世界サッカーは、「組織的」には、とても、高次平準化してきているんだよ。

このことは、「J」にも、言える。

以前は、個の差が、「より大きく」組織プロセスでも、影響していた。

そう、ワンタッチ・トラップとかボールコントロールとかね。

以前は、スーパートラップや、「ト・ト~ン」ってな異質リズムでのボールコントロールとか、そんな「個の美しさ」は、ジダンとかフィーゴとか「並外れた才能」連中の、専売特許だったんだ。

そのテーマについては、「こんなコラム」や「あんなコラム」も、ご参照あれ。

でも、いまでは、国際化や情報化の進展によって・・

イメージトレーニング素材が、格段に豊富になったコトで、そんな「異能スーパープレー」が、より一般化してきているんだよ。

そう、今日(昨夜)のゲームでも、その「高次平準化トレンド」が、目に見えていた!?

もちろん・・

そう、オーストリアにとっちゃ、デュッセルドルフで行われたこのゲームは、「ホーム」みたいなモノだから、その雰囲気に押し上げられるってな「心理環境」もあっただろうね。

それが、彼らの「勇気と闘争心」を、格段にアップさせ、ボールがないところでのアクションの量と質も、大きくアクティベートされたっちゅうわけだ。

まあ、言いたかったコトは、ご理解いただけた(アグリーかどうかは別!!)と思います。

ということで・・

オーストリアの、とても不運な「自殺ゴール(決勝ゴール)」で勝負が決まったゲームだったけれど・・

実は、勝負展開では、まったく「どちらに転んでも」おかしくないってな成りゆきだったんだよ。

そして、わたしは・・

その、ギリギリの勝負プロセスに、両チームの「仕掛けテンデンシーの違い」があったと思っているわけさ。

そう、オーストリアは、あくまでも「組織のなかに、効果的に個をミックス」するってな感じ・・

逆にフランスじゃ、ムバッペやデンベレを中心に、傾向としてだけれど、「個の勝負プレーのなかに、効果的に、組織をミックスしていく」ってな感じ・・

まあ、勝負パスと、ドリブル勝負の「兼ね合い」かな・・

その二つの「仕掛けファクター」の、関わり方で、それぞれのチームにおける、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の傾向に、違いが出てくる!?

このゲームは、そんな視点で「も」、観ていましたよ。

今回の「EURO」・・

たしかに、視点はさまざまだろうけれど、とにかく、盛り上がるだろうね。

わたしは、もちろん、「そこ」がドイツということで、盛り上がっていますけれどネ・・。

へへっ・・

とにかく、楽しみだよ・・