2024_J1_第35節・・ギリギリの緊張感に包み込まれた、エキサイティングな勝負マッチ・・実力的には、吉田孝行ヴィッセル・・でも、横内昭展ジュビロも、立派な勝負サッカーを魅せた・・堪能した・・(ヴィッセルvsジュビロ、2-0)

レビュー

置かれている「状況」は、まったく違うけれど・・

両チームは、どうしても「勝ち点3」をもぎ取りたい。

そう、ジュビロは、降格リーグを生き延びるために・・

実力が明確に「上」のヴィッセルは、リーグ優勝を、もぎ取るために・・

ということで、両チームの、ゲーム戦術は、対照的なモノになった。

攻め上がるヴィッセル・・

守りを固めながら、必殺カウンターを成就させようとするジュビロ・・

ここでは、「数字で表されるカタチが、グラウンド上の現象を大きく左右する・・!?」なんていう低次元のハナシをしようとしているわけじゃない。

そうではなく・・

基本的な、ゲーム戦術イメージをベースに、攻守の目的を達成するための、正しい対応・・

そう、いかにテメーのプレーを、主体的な「闘い」へと昇華させられるか・・

それを主要テーマに、ハナシを進めようと思うわけだ。

定型のない、究極の「意志のボールゲーム」であるサッカー・・というハナシね。

優れたサッカー選手だけれど・・

彼らは、その都度、全体的な「流れ」のなかで、いかに、ボールを奪い返すのか、いかに、スペースを攻略できるのかという「瞬間テーマ」に、取り組むんだよ。

そう、「カタチ」に囚われることなく、あくまでも、主体的に・・ね。

以前から、繰り返し、主張していたと思うけれど・・

基本は、定型のないサッカーに対し、いかに、自由に、そして主体的に、イメージングを構築し、勇気をもって、リスクにもチャレンジしていけるのかというテーマだね。

たとえば、こんなコトも、書いたことがある。

トライアングル・・

選手は、トライアングルを創りだそうとプレーしているわけじゃない。

でもなかには、「トライアングルを作れ~~っ!!」なんて叫んでいるコーチがいる。

それって、まさに、狂気の沙汰じゃありませんか。

そうではなく、スペースを攻略するためにパスを受けようと動くことで、「結果として」トライアングルに「なっちゃつてる」っちゅうわけなんだよ。

そう、カタチから入ったら、絶対に、失敗するんだ。

もちろん・・

基本的な、相互ポジショニング・バランスの感覚は、大事さ。

でも、それもまた、攻守の目的を果たそうとするなかで、結果として、自然にバランスが執れているっちゅうのが、現実なんだよ。

とにかく、カタチから入ったり、それで分かったようなコトをいう(周りをケムに巻く)ヤツらは、サッカーの本質的なメカニズムを分かっていないっちゅうことサ。

わたしは、50年にわたって、ドイツサッカーの「盛衰プロセス」にかかわってきた。

そのなかで・・

サッカーの根源メカニズム(決定的ファクター)についてだけじゃなく、「あだ花サッカー」についても、しっかりと、接し(学習し)てきたという自負はあるんだ。

あっと、脱線が、過ぎた。

スミマセン・・

ということで、最高テンションが支配していた、勝負マッチ。

そんな、ハイエンド緊張感が支配するゲームだからネ・・

そりゃ、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に強みを発揮する、ヴィッセルが、ゴール機会を創りだすのに四苦八苦するのも、道理・・

もちろんジュビロだって、効果的に、カウンター気味のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかますというところまでは、簡単には、いけない。

これは、たしかに強いチームが、攻めつづけてはいるけれど・・

結局は、ある意味、動的な「均衡マッチ」という様相を呈している・・!?

まあ、そういう見方も、できそうだ。

そんなゲーム展開を観ながら、こんなコトを考えていた。

・・両チームともに、簡単には、チャンスを創りだせない・・

・・だからこそ、セットプレーや、カウンターチャンスが、とても大きな意味をもってくる・・

とにかく、ジュビロのボール奪取プロセス(守備)は、流れのなかでは、とても高い次元で、安定して機能していたんだよ。

さすがに、横内昭展だね。

彼の、「イメージング創り」は、秀でている。

忠実でエネルギッシュなチェイス&チェック(寄せ)を絶対ペースに、次、その次の「連動アクション」が、とても効果的に機能しつづけていたんだよ。

そんなだから、強力オフェンスの吉田孝行ヴィッセルといえども、簡単には、スペースを攻略できないし、チャンスの流れでも、ジュビロの「最後の半歩ファクター」で、潰されてしまう。

難しいよな~~・・

ジュビロの、徹底的なボール奪取プロセス(守備)を観ながら、そんなコトを思っていた。

でも・・

そう、結局ゴールは、皆さんもご覧になったように、ショートカウンターとセットプレー(CK)から、陥れられた。

もちろん、吉田孝行も、そんな「勝負フロー」は、イメージしてたはず。

だから、カウンターとセットプレーのチャンスを得られそうになったときの、彼らの集中力は、尋常じゃなかった・・と、感じていた。

さて・・

このゲームの総評だけれど・・

それは、やっぱり、チーム総合力では、ヴィッセルに、一日以上の長があったという事実。

もちろん、そんな「チーム力の趨勢」を、ひっくりかえすのも、サッカーの醍醐味。

ジュビロ監督の横内昭展も、そんな「勝負展開イメージ」を、しっかりと植えつけたに違いない。

わたしは、以前から・・

リーグ優勝に、サッカー内容で、もっとも近いのは、ミヒャエル広島サンフレッチェと吉田孝行ヴィッセルだって主張していた。

そのことは、「リーグトップ順位クラブの推移」で、苦々しい状況を体感させられていたときから、事あるごとに、主張していたっけね。

そして・・

もちろん、まだまだ、結局どうなるかは、神のみぞ知るだけれど・・

それでも、「チームの底力」という意味で、実力チームが、優勝を競り合っているという現状は・・

精神衛生上も、とても健全だと、安堵している昨今なんだよ。

へへっ・・