2024_EURO_14・・これで、この優れたベルギーが、トーナメントから姿を消しちゃう・・何とも惜しい・・そんな、とても複雑な「後味」を残した、スーパー勝負マッチだった・・(フランスvsベルギー、1-0)
すごいテンション(緊張感)だった。
ここまでで、最高の、実力チーム同士の、激突。
互いに、フランス語圏という背景もある。
両チームともに、ボール奪取プロセス(守備)が、強い、堅い。
相手の、世界トップレベルのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を、ことごとくはね返してしまう。
ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに代表される、危険な組織プレーにしても・・
「それ」を絶対ベースにする、個のドリブル勝負(ムバッペね)に対しても・・
とにかく、両チームの守備は、強い、堅い。
だから、両チームともに、簡単には、ゴール機会を創りだせない。
観ているこちらも、手に汗にぎるばかり・・
へへっ・・
でも、両チームともに・・
そう、ツボにはまったら、ゴール機会を創りだすトコロまで、いってしまう。
ツボ・・
シンプルな、カウンター気味の仕掛け(勝負ドリブル)やセットプレー、そして仕掛けの「大きな展開」などが、「ツボ」になり得る。
その本質は、相手ボール奪取プロセス(守備)のイメージングを超越する仕掛け・・ね。
やっぱり、インテリジェンス・ボールゲームであるサッカーじゃ、「思考」の、広さ、深さが、最後はモノを言うっちゅうわけだ。
そのツボにはまったシーン・・
・・フランス、ムバッペの、パスを受けてからの「静」のキャノンシュート・・
・・ベルギーのセットプレー(デ・ブルイネの強烈FK)・・
・・また同じベルギーがブチかました、流れるような、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションからの、ダイレクトシュートなど・・
いろいろと創り出されたけれど・・
そのなかでも、「ザ・ゴール機会」って呼べるようなチャンスメイクがあった。
例えば、前半34分のフランス。
チュアメニから、正確で鋭い、大きなサイドチェンジパスが、上がっている右サイドバックのクンデへ、ベルギー守備のイメージングを「超越」するように、飛んでいく。
そしてクンデは、ワンタッチトラップから、間髪を入れずに、必殺クロスを送り込むんだよ。
もちろん、そのクンデには見えていた。
ベルギーのゴール前で、マーカーの「背後」にポジショニングしていたチュラムが、一瞬の動きで、そのマーカーの「眼前スペース」へ飛び出す「動き」が・・
そしてクンデからの、鋭い「ラスト・クロス」が、その相手マーカー眼前スペースへ、正確に、鋭く飛んでいったっちゅう次第。
それは、チュラムは、もう、決めるしかないという、最高テンション状況だった。
でも・・
そう、チュラムの「走り込みヘッドシュート」は、僅かに、ほんの僅かに、ベルギーゴールの右上角を外れていったんだ。
そのとき、わたしは、完璧にフリーズしていた。
フ~~ッ・・
そんな、興奮させられるシーンがあった前半だったけれど・・
でも後半は・・
そんな前半にも増して、もう、フリーズの連続ってな、両チームの仕掛けが、目の前で展開しちゃうんだ。
両チームともに、まさに「ゴール機会」と呼べるチャンスメイクをブチかましつづけたんだよ。
その立ち上がり・・
ベルギーのペナルティーエリアの「枠外」で、ボールを動かしつづけたフランスが・・
最後は、チュアメニの「ミドル弾」で、そんな「静」のボールの動きを、仕上げた。
直後の54分、そこでは、ムバッペが、際限のない「天賦の才」を披露する。
そう、突貫小僧ドリブル勝負。
「マタギフェイント」から一人を置き去りにし、そのまま、ドリブルで突進してシュートまでいっちゃうんだ。
最後の瞬間に、ベルギー守備が魅せたスライディングは(アベマ解説の槙野智章が言っていたように!)、ムバッペのスーパーシュートの「軌道」を、微妙にズラしたと感じた。
素晴らしい、最後の守備アクションだった。
でもベルギーも黙っちゃいない。
そう、そんなピンチから、デ・ブライネのタテパスから、タテへ「爆発ダッシュをつづけていた」カラスコへの必殺スルーパスが決まったんだ。
フリーでパスを受けたカラスコ。
でも、最後の、最後の瞬間、追いついたフランス守備テオ・エルナンデスが、必殺スライディングで、そのシュートを弾くんだ。
もう、スーパーとしか表現のしようがない、テオ・エルナンデスの実効スライディングだった。
また71分、これまた、デ・ブライネからの必殺スルーパスから抜け出したマンダラ。
そこから、ルカクとつないで、必殺ミドル弾が、ブチかまされた。
83分には、それまで「黒子」としてチャンスを創りつづけていたデ・ブライネが、今度は、主役に踊り出す。
ルカク、ドクとボールが「動き」、最後は、ドクからの必殺「横パス」を受けたデ・ブライネ・・
彼の実力を知る誰もが、「アッ、ゴールだっ!!」と、信じて疑わないシュートを放ったんだ。
でも・・
そう、このルカク(71分)とデ・ブライネ(83分)の必殺シュートは、フランスGKメニャンが、まさに神がかりなセービングで防いだんだ。
観ているこちらは、もちろん、フリーズ。
そんなギリギリのゲーム展開が続いていた、85分。
コトが起きる。
フランス。
例によっての、ベルギーのペナルティーエリア「外枠」エリアでボールを動かし・・
そして、必殺のスルーパスを飛ばしたんだ。
最後は、交替出場した、コロ・ムアニにボールがわたり、シュートっ!!
蹴られたボールが、ベルギー選手のヒザに当たってコースが変わり、そのままゴール。
結局、ベルギーの自殺点というコトで、劇的ドラマの幕が下りた。
あっと、このシーンでは・・
アベマ解説の槙野智章も語っていたけれど・・
シュートを放ったコロ・ムアニへ、ダイレクトで、ラストパスを通したカンテに、0.5点あげなきゃ、いけない。
それほど、素晴らしいラスト・ダイレクトパスではあった。
ということで・・
フィジカル、テクニック、攻守の巧みな戦術プレー、心理・精神的バックボーン、そして「最後の半歩」など、世界超一流の両チームが展開した、スーパー・テクニカル・ドラマの幕が下りたっちゅう次第でした。
ものすごく堪能したけれど・・
これで、このスーパーなベルギーが、トーナメントから姿を消しちゃうのは、何とも惜しい。
そんな、とても複雑な「後味」を残した、スーパー勝負マッチではありました。