2024_J1_第32節・・この日の鬼木達フロンターレが、様々な意味で、「フッ切れた」美しい質実剛健サッカーを魅せてくれたコトは、確かな事実だった・・(フロンターレvsアルビレックス、5-1)

レビュー

このゲームからピックするテーマだけれど・・

それは、やっばり、人とボールの動き・・かな。

そう、鬼木達フロンターレが魅せつづけた、美しい、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を、ディスカッションの中心に据えたいんだよ。

もちろん、松橋力蔵アルビレックスも、しっかりとボールを支配しながら、危険な攻めを「創れる」だけの実力を秘めている。

でも・・

そう、アルビレックスの場合は、どうも、一つひとつのステーション(ボールホルダー≒次のパスレシーバー)のところで、ボールの動きがスムーズに流れないんだ。

それに対して、鬼木達フロンターレでは・・

とにかく、スムーズに(とても素早いリズムで!)人とボールが、動きつづける。

彼らの場合は、その人とボールの「動きのリズム」もまた、とても大事なファクターだよな。

そんな「素早いリズム」で、人とボールが動かすことで、次、その次の勝負スペースへの、ボールがないところでの「動き」も、加速させられるっちゅうわけだ。

わたしは、そんな「人とボールの動きの連動メカニズム」について、「イメージング」こそが、もっとも大事なファクターだと、主張する。

イメージング・・

ボールホルダーや次のパスレシーバー、ワンツーの「壁」になる選手や、その周りで、仕掛けのフリーランニングをブチかます3人目、4人目の仲間たちが、脳裏に描くイメージのこと。

そして、そんな「複数のイメージ」が、どの程度うまくシンクロしているかこそが、成功のための決定的ファクターなんだよ。

・・一人が、タテパスを受ける・・

・・その選手は、事前に、まわりの味方のポジションや動きを、イメージングできている・・

・・もちろん・・

・・その(まわりの)味方選手も、また、次のパス展開をイメージングできている・・

・・だからこそ・・

・・そう、「ワン・ツー・スリー」なんていう、美しい、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションだって、成就させられる・・

・・それだけじゃなく、その人とボールの動きに、3人目や4人目のチームメイトが、同じ「イメージング」を描きながら、その「勝負の流れ」に乗っていく・・

・・そんな、人とボールの動きは、相手ディフェンスのイメージングを「超越」する・・

・・だからこそ、ウラの決定的スペースだって、パスを組み合わせること(人とボールの動き)によって、うまく攻略できるっちゅうわけだ・・

よく、鬼木達が、こんな表現をする。

・・出して走る、出して動く・・

シンプルな表現だけれど・・

そこには、人とボールの動きを「加速させるエッセンス」が内包されている。

そう、相手守備のイメージングを「超越」する、人とボールの動き・・ね。

そして・・

そんな、人とボールの動きが、うまく機能しているからこそ・・

マルシーニョに代表される才能ドリブラーによる「個の勝負」も、より効果的に、活かさせるっちゅうわけだ。

あっと、ゲームだけれど・・

フロンターレが、これまた素晴らしいコンビネーションからの2点目を奪ってからは、松橋力蔵アルビレックスも、しっかりとボールを保持しながら、攻め上がっていった。

ただ、前述したように・・

そこでの、人とボールの動きに、うまく「勢い」を乗せられない。

彼らは、素早い「ボールの動きのリズム」を、うまく演出できないんだよ。

そう、各プレイヤーの「イメージング」が、うまくシンクロさせられていない。

そして、だからこそ、各ステーション(ボールホルダーや次のパスレシーバー)のところで、ボールの動きが、停滞気味になってしまう。

そんなだから、アルビレックスのボールの動きは、常に、フロンターレ守備の「守備イメージング」の餌食になってしまうのも道理。

いや、もちろん・・

そう、松橋力蔵アルビレックスのサッカーは、十分に美しく、魅力的なんだよ。

でも、「この日のフロンターレ」のフォームは、攻守にわたって、レベルを超えていた。

たぶん・・

そう、ウルサンと対峙した、ACLエリート試合で、「あの」劣悪なピッチにもかかわらず、粘勝をおさめたコトが、殊の外、彼らの自信と確信を深めた・・!?

まあ、とにかく・・

この日の鬼木達フロンターレが、様々な意味で、「フッ切れた」美しい質実剛健サッカーを魅せてくれたコトは、確かな事実だった。