2024_J1_第28節・・この勝負マッチでは、二人の選手(森田晃樹と山見大登)にスポットを当てることにしました・・それにしても、いまの城福浩ヴェルディには、昇り龍の勢いがある・・(ヴェルディvsアントラーズ、2-1)

レビュー

やっばり、キャプテン森田晃樹。

ケガ明けでは、何試合か、途中交代でピッチに立った。

そこでも、例によっての、正しい(!?)チャレンジプレーを魅せたけれど・・

この試合では・・

満を持しての先発メンバーに名を連ねた森田晃樹は、相変わらずの「攻守ハードワークとリスクチャレンジ姿勢」で、チームリーダーとしての存在感を、光り輝かせた。

そう、彼は・・

「目立たないトコロ」で、目立ちまくっていたんだよ。

要は・・

攻守にわたって、しっかりと仕事(=ハードワーク)を探しまくっているだけじゃなく・・

ボールを持っても、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を、創造的に、引っ張りつづけたんだ。

そんな、ゲーム&チャンメイクのプロセスでも、やっぱり、目立たないトコロで、目立ちまくっていたっちゅうわけさ。

わたしは、そんな森田晃樹の、スーパーな実効プレーに、舌つづみを打っていたよ。

ところで・・

2ゴールをブチ込んだ、山見大登。

彼が、ダゾン試合後インタビューで、こんな興味深いコトを語っていたっけ・・

・・このところ、ベンチスタートが多かったので、この先発機会では、チャンスとして活用しなければという覚悟で臨んだ・・

・・今シーズンは、これまでやったことのない筋力トレーニングにも、コーチの方に指導してもらいながらチャレンジしている・・

・・それも、結果につながった背景にあると感じている・・

山見大登は、皆さんもご覧になったとおり、個の才能レベルでは、とても秀でている。

ということは・・

そう、これまでの彼もまた、「才能という諸刃の剣」に、苛(さいな)まれていたということか・・。

面白いネ~・・

わたしは、山見大登のインタビューを聞きながら、コーチ時代の、「パーソナリティーのぶつかり合い」という体感を、思いだしていた。

天賦の才に恵まれているヤツに限って、全力で、攻守ハードワークとリスクチャレンジに取り組まない傾向が強いんだよ。

そう、緩んだマインド・・ね。

もちろん、コーチとしては・・

惜しい気持ちもあるし、チームにとっての損失というマイナスも何とかしなきゃいけないから、説得(心理アプローチ)しようとする。

でも、ヤツらにしても・・

それまでの、楽して金儲けできる「甘い生活」を放棄しなきゃいけないわけだから、簡単には、心を入れ替えるはずもない。

もちろん、実際のプレーでは、物理的に「キツく」なるわけだからね。

そして、我々コーチと天賦の才の間で、「パーソナリティ」が、ガチンコの火花を散らすわけだ。

そんな「パーソナリティのぶつかり合い」というテーマについては、拙著も、ご参照あれ。

また、「天賦の才という諸刃の剣」というテーマについては、「このコラム」や「あのコラム」も、ご参照あれ。

モデルは、日本が誇る天賦の才、中村俊輔と宇佐美貴史。

とにかく、このゲームでの山見大登は・・

二つのゴールだけじゃなく、ラストパスや、ボール奪取プロセス(守備)でのハードワークでも存在感をアップさせていたんだよ。

そんな彼に対しては・・

やっと掴んだ、「ホンモノの攻守チームプレー感性」を、もっと磨きつづけて欲しいと思う。

わたしは、ドイツ、日本で、自分の才能に「溺れ」て、消えていった天才と呼ばれた選手たちを、数限りなくみてきた。

なかには、本当の意味で「改心」し、スターに上り詰めた選手もいれば、自分の「偏った主張」へのこだわりから解放されなかった選手もいる。

もちろん、そんな「パーソナリティのぶつかり合い」では、わたしも、千差万別の「心理アプローチ」から、ものすごく多くのコトを、学ばせてもらった。

このテーマに関する、結論「的」な締めだけれど・・

心理アプローチには、選手たちの、それぞれの感性(何にこだわっているのか等!?)によって、まさに無限の方向性がある。

もちろん、その「こだわりの感性」を、運良く見つけられれば、それに越したことはない。

それでも、物理的、時間的な制約があるコーチの仕事からすれば・・

やっぱり最後は、「環境」を整備するしかないという結論に至るんだよ。

そう、選手たちの「自覚と覚悟の覚醒」を待つしかないっちゅうコトさ。

残念ではあるけれど・・ね。

でも、ヴェルディについては・・

そう、城福浩が、しっかりと、その環境を「整えている」ように、感じられる。

そりゃ、山見大登に、インタビューで、「あんな内容」を語らせられるわけだから・・

城福浩の、環境を整えながら、選手たちの「覚醒」を待つという「心理マネージメント」は、大成功を収めているって、高く評価するのがフェアでしょ。

とにかく、今日は・・

城福浩ヴェルディの、「昇り龍」の勢いのコノテーション(言外に含蓄する意味)に、思いを馳せている筆者なのだよ。

へへっ・・