2024_J1_第10節・・横内昭展ジュビロが魅せた、最高レベルの「粘性」・・もちろん「それ」は、相手のゼルビアが強かったからに他ならない・・そのゼルビアの勝負強さは、どんどん充実している・・また、その発展プロセスに、美しさや魅力のエッセンスが備わっていけば!?・・(ジュビロvsゼルビア、2-0)
レビュー
超絶の徹底(戦術)サッカー・・
もう何回か、コラムでアップしたけれど・・
私は・・
ゼルビアが、アンチフットボールをやっている、などと言おうとは、思わない。
たしかに、「失点をしない・・」、決して「負けない・・」、要は、「勝つことだけ」を目指しているってな「考え方」に対しては、苦々しく思うことはあるけれど・・さ。
ただ、そんなゼルビアだけれど・・
昇格した今シーズンは、移籍プレイヤーが充実したこともあって(!?)、より、「美しい質実剛健サッカー」のベクトルへ、近づこうとしているって感じる。
まあ、それにゃ、私自身の「希望的観測」ってな側面もありそうだけれど・・。
そんなゼルビアだけれど、やっぱり、今でも・・
絶対に、失点しない、負けないってな感じの、超絶の徹底サッカーという(そのタイプの!?)方向性には、こだわりつづけているみたいだよね。
特に・・
局面デュエルでの、「意識と意志パワーの炸裂」には、特筆の実効レベルがある。
そう、決して、相手を「行かせない」という「競り合い」に対する「こだわり」が、尋常じゃないんだ。
「行かれそう」になったら、その瞬間、ものすごいパワーで、身体全体を駆使する、フルパワーのアタックをブチかますんだよ。
だから、ファールは多い。
そうなんだよ・・
ゼルビアのサッカーでは、そんなメンタルパワーこそが、絶対バックボーンなんだ。
そう、「寄せ・命」ってな強いメンタルこそが、ボール奪取プロセス(守備)の実効性をベースにした「勝負強さ」を、支えていると思うわけだ。
エネーチケー解説の、早野宏史も、語っていたけれど・・
とにかく、攻守の切り替えが(メンタルパワー)が、素晴らしく素早く、効果的。
それは・・
守備への「戻り」ばかりじゃなく・・
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でのカウンターの流れに、パワー与える。
そう、守備にはいった瞬間での、素晴らしいサポートパワー・・ね。
また、超絶の徹底サッカーは、カウンターだけじゃなく・・
シンプルなタイミングとコースの、ロングボール(放り込み)も、ある。
ターゲットは、言わずもがなの「オ・セフン」。
194センチに、93キロという、レベルを超えたパワフルな、巨漢フットボーラーだ。
彼は、大きいだけじゃなく、「足許」もしっかりしているから、ポストプレーでも存在感を発揮する。
そして・・
「放り込み」が、送られたら・・
いや、それが「入りそう」になった瞬間には・・
オ・セフンのヘディングからの「こぼれ球」を狙うゼルビア選手が、アクションを起こすんだ。
そう、セカンドボールを、相手ゴール付近で「支配」すれば、ものすごく危険なゴール機会を創りだせるわけだからね。
ということで、彼らの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では・・
前述した、大パワーの押し上げ、意図をもった放り込みと、「それ」を完璧にイメージングした、シンクロ・アクションなどなどが、特筆のカタチ(イメージング・シンクロ)を形成しているんだよ。
攻守にわたって、そんな「イメージング」を、「超」がつくほどの徹底度で、繰り返すゼルビア。
昔、わたしの師だった、ドイツのレジェンド、ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、こんな教えを、個人的に授けてくれたことがある。
・・いいか・・
・・どんなサッカーでも、チーム全体が、攻守の目的と、そのプロセスを深く理解・共有し、徹底したら、チームは、強くなるものなんだ・・
・・もちろん、才能プレイヤーがいれば、それを、チームワークのなかで、徹底的に活用するコトは言うまでもない・・
・・そんな組織と個のバランスこそが、オレたちの、仕事なんだ・・
・・でも、守ってカウンターってな、低次元のサッカーじゃ、サッカーの美しさを壊すだけだ・・
・・そうではなく、攻守にわたって、チーム内で、創造的イメージングをシェアし、効果的に実行していく・・
・・そう、全員が、共通のピクチャーを描いて、積極的&攻撃的にプレーするんだ・・
・・そうすれば、おのずと、チームは強くなるし、サッカー自体も、魅力的になるモノなんだ・・
ゼルビアがブチかましつづける、超絶の徹底サッカーを、観ながら・・
そんな、ヘネスの言葉を思いだしたモノさ。
でも、やっぱり、彼らのサッカーには、美しさや魅力のエッセンスが、「まだ」十分じゃない。
もしかしたら彼らは、これから、本当の意味で、美しい質実剛健サッカーを魅せてくれるようになるのかもしれない。
このところ、そんなディスカッションに「も」興味が、湧いてきているんだよ。
あっと、最後に・・
素晴らしく、粘り強いサッカーで、徐々に、サッカー内容(質)をアップさせ(徐々に、自信と確信レベルがアップしていった!?)、最後は、立派に勝ち切った、横内昭展ジュビロ。
わたしは、彼らに、同じサッカー仲間として、心からの称賛と感謝の拍手を、おくります。