2024_EURO_6・・内容的に、イタリアを凌駕したスペインの順当勝利という評価がフェアだと思う・・まあ、とはいっても、美しく「勝ち切る」コトの難しさも、垣間見えた・・(スペインvsイタリア、1-0)

スペインが、内容でイタリアを凌駕し、そして結果まで引き寄せた。

でも、実は・・

「あの美しいサッカー」で、結果まで(高い確率で!?)残すのは、大変なことなんだよ。

このテーマについては・・

以前、フロンターレを、最高潮サッカーまで率い、その後グランパスへ移籍したときの風間八宏に対して、こんな質問を投げたことがあった。

・・風間さんも、ご存じの通り、わたしは、こんなタイプのサッカーで、勝てるようになるまでのプロセスが、いかに大変なモノか知っているつもりです・・

・・そこまで苦労し、フロンターレを、「このサッカーで勝てる」チームにまで育てた・・

・・わたしは、そのプロセスでの苦労は、体感からも、目に見えている・・

・・そこで質問だけれど・・

・・ここまで大きな成果が出はじめたフロンターレを、どして今、辞めちゃうの??・・

その質問に対して、風間八宏が、どう応えたのか、実は、覚えていない。

言いたかったコトは、あのようなタイプのサッカーを、しっかりと結果につなげることは、そんなに簡単じゃないという事実。

だから私は、理想的なサッカーを、「美しい質実剛健サッカー」って表現することにしているんだ。

そう、美しい「サッカーの質」と、結果としての「美しい実り」、そのバランスね。

それは、難しい。

でもサッカーコーチは、「それ」を、サッカーにたずさわる者の「義務」として、全力で志向しなきゃいけないんだ。

とにかく、「結果だけを追い求める」ような徹底・戦術サッカーが横行したら、かならず、プロサッカーは、衰退するんだよ。

ということでスペイン対イタリア戦・・

そこでも、「美しい質実剛健サッカー」を体現したスペインだったけれど、実際の「美しい実り」を得るまでには、少なからず、苦労した。

何度、決定的なゴール機会を、掴みきれなかったコトか。

そう、あれほど圧倒し、何度も、決定的なゴール機会を創りだしたスペインだったけれど・・

でも決勝ゴールは、自殺点のワンゴールのみだったんだよ。

フ~~ッ・・

それでも、スペインの、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、魅力的だったよね。

たしかに、単純な、足許パスばかりじゃ、何も生み出せない。

でも今回のスペインには、スペースを攻略する、組織的な高質イメージングだけじゃなく、「突貫小僧」もいる。

そう、左サイドの、ニコ・ウィリアムズ。

そのドリブル勝負は、たしかに、決定的スペースを突いていくための効果的な武器になる。

それ以外でもスペインには、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションがある。

もちろん、アバウトな放り込みクロスや、ミドル弾、セットプレーや、カウンターからのチャンスメイク等の「普通の仕掛けプロセス」だって繰り出すよ。

ただ、スペインが、「もう一味」備えているコトが言いたかった。

対するイタリア。

厳しいね。

確かに、一度だけ、ショートカウンターからゴール機会を創りだしたし、何度か、強烈クロスで、チャンスを作りかけた。

でも、やっぱりイタリアでは、相手がブロック守備を敷いたら、崩すのは、難しいと感じた。

ということで・・

この試合では、内容的に、相手を凌駕したスペインの、順当勝利という評価が、フェアだと思う。

さて、本大会・・

徐々に、「質」と「実」を兼ね備えた、本物の「強いチーム」が、見えはじめてきた。

楽しいネ~・・