2023_J1_(変則)11節・・ゲーム展開の「逆流」というグラウンド上の現象には、興味深いコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていた・・(レッズvsサンフレッチェ、2-1)

そうそう、このアングルだよ、このカメラワーク(ズーミングワーク)だよ・・

ゲームを観ながら、そんな情緒が、沸き立った。

近頃のダゾン中継は、とても良くなってはいる。

でも、どうも、グラウンドを「俯瞰」できるまで「ズームを引けて」いないゲームもある。

それに対して、今日のカメラワーク(ズーミングワーク)は、まさに完璧だった。

そうなんだよ・・

皆さんもご覧になった通り、後半のプレイヤー交代によって、レッズのサッカーが、まったく別物に(ポジティブに!)生まれ変わったわけだけれど・・

その「生まれ変わりコンテンツ」を、優れたカメラワーク(ズーミングワーク)があったからこそ、「より」深く、体感できたっちゅうわけさ。

それは・・

この選手交代によって、レッズが、別物チームに生まれ変わったバックボーンが・・

攻守にわたる、ボールがないところでのアクションの量と質にあったわけだから。

そう、選手交代によって、人とボールの動きが大きく「加速」し、そこに、いつもの「スリズ」が再構築されたんだよ。

まあ、もちろん、人の動きこそが、メインファクターなんだけれど・・さ。

その「動き」だけれど・・

それを高揚させるためには、もちろん選手は、モティベーションを必要とする。

その骨子こそが、さまざまな意味を内包する、仲間に対する「期待の高まり」っちゅうわけだ。

・・最前線のチームメイトは、ボールをもったら、かならず展開してくれる・・

・・だから、ここに走れば、パスをもらえる・・

・・相手にボールを奪い返されても、アイツは、しっかり追いかけてくれる・・

・・だから、次、その次でのボール奪取ポイントを、しっかりと予測できる・・

・・等など。

例えば、興梠慎三。

とにかく彼は、しっかりとフリーランニングする。

だから、うまく、タテパスの「ターゲット」になれる。

また、しっかりとキープしたり、そこから勝負プレーにいくだけじゃなく、状況に応じて、着実なシンプルタイミングのパスでボールを動かす。

そんな、興梠慎三の、創造的で安定したボール絡みプレーは、チームメイトから、絶大な信頼を勝ち得ているって感じる。

だから、後方のチームメイトたちにしても、スッ、スッとサポートに上がっていける。

また、最前線からのボール奪取プロセス(守備)のアクションにしても・・

まあ確かに、以前よりは、そのダイナミズム(走る量ね!)は落ちたけれど、「ツボ」のシーンでは、しっかりとフルスプリントで、寄せるよね。

そんな「自己犠牲」が、チームメイトからの信頼を、大いに深めるんだ。

また、次、その次のインターセプトでも、非凡なセンスを発揮する。

あっと、興梠慎三だけじゃなく・・

例えば、サイドゾーンでの、前後のポジションチェンジ。

大久保智明が入ったことで、右サイドバック、酒井宏樹とのタテのコンビネーションの効果レベルが、何倍にも増幅した。

わたしは、そんな右サイドでの「動きの活性化」が、酒井宏樹の、素晴らしい同点ゴールを呼び込んだって思っているんだ。

その同点ゴールシーンだけれど・・

もちろん酒井宏樹は、自分が、相手ゴール前へ入っていったら、その後方の「穴」は、大久保智明が、着実に「埋めて」くれるって確信しているのさ。

それこそが、ホンモノの相互信頼・・ね。

あっと・・

決勝ゴールを、ものすごく慎重に(確実に!)流し込んだ、伊藤敦樹にしても・・

興梠慎三やブライアン・リンセンとの「タテのポジションチェンジ」を、不安なく、仕掛けていけたからこそ(安居海渡のバックアップもあって!)、あの最終勝負ポジションまで入り込めたんだ。

また・・

最後の時間帯には、荻原拓也を入れ、明本考浩を前線へ上げたことで、左サイドゾーンでも、タテのポジションチェンジ(関係性)が活性化した。

ということで、このゲームでのポイントは・・

ミヒャエル広島サンフレッチェが、とても強い(良い)チームだというコトと、レッズ攻撃の外国人には、まだまだ時間が必要だという事実かな。

たしかに、レッズの外国人オフェンスプレイヤーの潜在力は十分だと思うし、このところは、その「意識と闘う意志パワー」も、アップしてきていると思う。

ただ、組織的なコンビネーションという視点で、周りとの信頼関係を築けていない。

だから、彼らがボールに絡むと、周りのチームメイトの足が、止まり気味になってしまう。

そこでの、相互のイメージング・シンクロ状態は、トレーニングで培っていくしかない。

その調整が、マチェイ・スコルジャの、もっとも重要なマネージメントテーマの一つということだね。

とにかく、「あの」ゲーム展開の「大逆流」というグラウンド上の現象には、ものすごく興味深いコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されていたんだ。

あ~~、面白かった。