2024_EURO_11・・高次平準化する、世界サッカー・・もちろん、その傾向は「J」においても・・(予選グループ、C&D)

ブランド国を中心に、簡単にまとめます。

まずフランス。

昔、ポーランドに、ヤン・トマシェフスキーというスーパーGKがいた。

いまでは、ポーランドで、サッカー解説をやっているらしいけれど・・

1973年10月17日。

サッカーの聖地(イングランド)ウェンブリーで行われた、W杯、最終地域予選でのイングランド戦で、スーパーセーブを連発し、彼らの、本大会出場を阻んだときのヒーロー、その人だ。

わたしも、1974W杯西ドイツ大会の後、彼と、ドイツで接点があった。

彼は、わたしよりも、四つ、年上だ。

・・オマエ、日本人なのか?・・

・・それにしちゃ、背がデカい(190㎝)な~・・

・・ところで日本でもサッカーは、やっているのかい?・・

・・(私)オレたちの国でも、サッカーは、やっているんだよ・・

・・(これも私)そして、オマエは、日本でも、有名人だぜ・・

・・イングランドを、予選で葬り去ったGKとしてね・・

そして、今回も、そんなスーパーGKが気を吐いた。

ポーランドGK、ウカシュ・スコルプスキー・・

彼は、いったい何度フランスのゴール機会を阻止したことか。

そう、全体的なゲーム内容では、フランスに軍配が挙がるんだ。

それでもポーランドは、ウカシュ・スコルプスキーの活躍もあって、今大会、唯一の「勝ち点1」をもぎとった。

たしかに、ポーランドは、次に進めなかったけれど、勝ち点「ゼロ」で大会を去るよりも、彼らにとっては、何百倍もポジティブな結果なんだよ。

そうそう、このグループステージ最終日には・・

もっとビックリするコトが、このグループで、起きたんだ。

そう、オーストリアが、「あの」オランダを下し、グループトップに躍り出たんだよ。

この試合・・

ゴール機会の量と質では、たしかにオランダに分があったけれど・・

オーストリアは、ものすごくシンプルなスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)をブチかましつづけることで、オランダのミスを誘った。

オーストリアは、ドイツの兄弟国っていってもいいかもしれない。

その兄弟が、大会屈指の強豪、オランダを「ねじ伏せた」んだ。

ちょっと興味深い「グラウンド上」の現象ではあった。

もちろん・・

そう、オーストリアは、伝統的に、ボール奪取プロセス(守備)が強いよね。

わたしは、そのバックボーンに、優れた「考えるチカラ」を挙げたい。

だから・・

相手が強ければ強いほど、仲間内での「協力ディフェンス」が、威力を発揮するんだ。

この試合でも、守備のハードワークは当たり前として、とにかく、ボール奪取プロセス(守備)での、互いの「イメージング」を調整しながら、素晴らしい寄せ(局面デュエル)に、持ち込んでいた。

それに対して、オランダは・・

普段は、組織サッカーを標榜する、ハイレベルサッカーを展開するんだけれど、徐々に、個の勝負プレーに、イメージングが「偏っていった」と感じたモノさ。

だから、彼らの専売特許である、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションなんて、ほとんど観られなかった。

そこでは、究極の心理ボールゲームというサッカーの真実を、噛みしめていた。

フ~~ッ・・

でも、まあ、オランダも、フランスも、しっかりと決勝トーナメントへは、駒を進めた。

ということで、グループ「C」・・

そこの目玉は、何といっても、イングランド。

でも、このグループには、デンマーク、スロベニア、そしてセルビアという、曲者がいるんだ。

最終戦、イングランドは、その曲者の一角、スロベニアと対戦した。

スロベニアだけれど、ものすごい紆余曲折を経て、1991年に、ユーゴスラビアから独立し、ひとつの国となった。

それまでは・・

そう、「あの」ユーゴスラビアの一員だったんだよ。

だから、サッカーのレベルについては、推して知るべしでしょ。

そんな「曲者スロベニア」と対峙したイングランド。

まず感じたコトは、とにかく、人とボールの動きが、鈍重。

一つひとつの動きが「単発」なんだよ。

なんか、以前の、放り込みサッカーが、彷彿してきちゃったりりして・・

一つの例だけれど、こんなシーンがあった・・

左サイドの後方から、一発「必殺クロス」を、ファーサイドゾーンにいる、ハリー・ケーンへ送り込んだシーン。

たしかに惜しかったけれど・・どうも、ネ・・

また、たしかに何度か、ウラの決定的スペースを、うまく突いていけたシーンはあったけれど、それも、典型的な「単発の仕掛け」ってな感じ・・

また人とボールの動きを駆使した「崩し」だけれど・・

後半ロスタイムにはいってからブチかました、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションは、素晴らしかった(しっかりとゴール機会までいった!)。

でも、目立ったチャンスメイクが「ソレしかない」というのでは、寂しい限りだったね。

さて、ブランド国。

世界サッカーは、情報化、国際化の進展によって、「高次平準化」しているっちゅう、ディスカッション。

そのことは、昨年の、ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟主催の国際会議でも、講義の休み時間に活発におこなわれた「行間のディスカッション」で、何度も語り合った。

とにかく、その傾向は、もう誰にも、変えられないというのが結論。

そして、そのトレンドのなかに・・

たまに、「あだ花」のように、勝つこと「だけ」をターゲットにする、徹底サッカーが、現れては、消えていく。

これまでの世界サッカーの歴史を、みるまでもなく・・ね。

何か、今日は、世界サッカーの「縮図」を、俯瞰して、見つめているような・・

ということで、お互い、これからの決勝トーナメントを、とことん楽しみまょう。