2024_EURO_9・・フ~ッ!・・ドイツにとっちゃ、ものすごく意義深い「学習機会」だったということか・・それにしても、日本とFIFAランクが同じくらいのスイスは、立派なサッカーを魅せた・・(スイスvsドイツ、1-1)

強者どもが、はじめから、戦術サッカーに徹する・・

そりゃ、難しいゲームになるのも、道理だ。

そう、スイスは、最初から「受ける」のを前提に、ゲーム戦術をプランしたんだ。

ドイツは、誰もが認める強いチームだし、ホストカントリーでもあるからね。

だから、スイスの前提は、ブロック守備でドイツのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)を、しっかりと受け止め、ワンチャンスを狙うという「イメージング」だった。

そのブロック守備・・

もちろんファイブバックに、4人のミッドフィールダー。

そして・・

そう、決して、ドイツの人とボールの動きに、「安易に付いていかない」というイメージング。

ドイツは、人とボールを活発に動かしつづける。

それは、相手のボール奪取プロセス(守備)を「振り回す」という意味合いが大きい。

そう、ワンツーを積み重ねる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション。

でもそれが機能するのは、相手マークが、「付いてくれば」のハナシ。

もちろんスイスは、ボールがないところでのフリーランナーは、しっかりとマークする。

そして、ボールまわりでの基本は、ステイと、ポジショニングバランスの維持なんだ。

そんな強力なボール奪取プロセス(守備)に、どうも、うまく人とボールを動かせないドイツ。

そして、そんな沈滞した「静の雰囲気」のなか、コトが起きてしまう。

スイスが、先制ゴールをブチ込んだんだ。

前半28分。

ラッキーな状況で、左サイド(ポケットと呼ばれるゾーン!)にボールを回せたスイス。

もちろん、センターゾーンでは、ヌドイェが、脇目も振らずに、決定的スペースへ向けて「爆発」している。

その「決定的な動き」に、マークの、ヨナタン・ターが、一瞬、遅れてしまうんだよ。

そしてヌドイェが、これまた「脇目も振らずに」送り込まれた鋭いクロスに、ダイレクトで合わせた。

右足のアウトサイド(トーかな!?)での、「チョンッ!!」ってな、タッチ。

そしてゲームが、俄然、「深まって」いくっちゅうわけだ。

スイスの、徹底した戦術サッカーが、心理・精神的バックボーン(先制ゴールね!)の増幅によって、より強化されていくんだ。

ところで、そのゴールの直後・・

ゴールを奪われた、ドイツのスーパーGKノイヤーの顔が、大写しになったんだよ。

そのとき私は、カタールW杯の日本戦で、浅野拓磨に、左ポストのニアサイドスペースをブチ抜かれたノイヤーの顔が、重なったモノさ。

さて、ということで、その後の攻防。

もちろんドイツの、タテへのダイナミズムは、がんがんアップしていく。

でも、スイスの「徹底ブロック」は、まさに浮沈戦艦ってな感じ。

タテへ鋭いパスを出しても、そのほとんどが、インターセプトされちゃう。

そりゃ、そうだ。

そんな仕掛けのタテパスを通すためには、事前の「準備」が必要なんだよ。

そう、スイス選手の「イメージング」を、逸らすような、人とボールの動きが・・ね。

その「準備」がなく、シンプルな状態でのタテパスだから、スイスに「読まれ」てインターセプトされちゃうのも道理ってワケだ。

攻めあぐむドイツ。

観ているコチラも・・

・・変な工夫なんてせず、もっと放り込みや、ミドル弾をブチかませよっ!!・・

・・そんな、感情的な声だって出ちゃうさ。

あっと、スイスの守備ブロックの「位置」だけれど・・

それは、ボールの位置と、両チーム選手たちの位置関係に応じ、とても柔軟だった。

彼らは、決して、リトリートしっぱなし(下がりっぱなし)というわけじゃなかったんだよ。

もちろんスイスは、「あわよくば」ってな感じで、高い位置でのボール奪取&ショートカウンターを狙っているっちゅうわけだ。

決してスイスは、自軍に「閉じこもる」ような、愚を犯さかなったんだよ。

そして、ドイツのフラストレーションが、つのっていく。

だから、彼らのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、「我慢」が足りなくなっていくんだ。

とても良くない、心理的な「悪魔のサイクル」に、はまりかけていたドイツ。

フ~~ッ・・

でも、そんな雰囲気のなかでも・・

スイスが守備ブロックを維持している状況であるにもかかわらず・・

ドイツが、まさに、針の穴を通すようなゴール機会を創りだしちゃうんだ。

50分。

例の、若手ホープ、フローリアン・ヴィルツが、中盤でボールをキープしながら、フッと、前戦へ視線を飛ばす。

そのとき、コトが起きた。

その視線が飛ばされる「直前」のタイミングで、最前線のジャマル・ムシアラが、中央の決定的スペースへ、「爆発」したんだ。

そう、斜めへの、決定的フリーランニング。

そして次の瞬間、フローリアン・ヴィルツの右足が、うなった。

素晴らしい、アウトサイドでの、キャノン・グラウンダー・タテパス。

そして、それを、ワンタッチトラップしたムシアラが、そのまま、右足で、強烈なミドル弾を見舞ったというわけだ。

でも、そのシュートは、スイスGKに弾かれ、そのこぼれ球を叩いたギュンドアンのダイレクトシュートも、ゴール左へと外れていった。

それまでの展開からは、イメージし難いゴール機会ではあった。

でも私は・・

そう、そんな一発タテパスってな「目」もあるよな・・なんて考えたモノさ。

そして、そのゴール機会を体感しながら、こんなゲーム展開での「ワンチャンス」の可能性に思いを馳せたモノさ。

その後、トニー・クロースのミドル弾、フローリアン・ヴィルツの持ち込みからの、キミッヒの決定的シュート場面など、ゴール機会はあった。

でも・・

そう、リードするスイスのプレー姿勢も、素晴らしかったんだ。

彼らは、決して、「こもって」守ろうとはしていなかった。

そうではなく、しっかりと、攻め返そうとしていたんだよ。

そんな「流れ」って、たぶん、彼らのサッカー文化からすれば、自然なモノだったように思う。

そう・・

・・リードしているからといって、相手のドイツに、イニシアチブをにぎられっぱなしなんて、我慢できない・・

・・オレたちにだって、ブライドがある・・

・・ふざけるなよ・・

・・そんな、狩人のマインド。

イイネ~・・

もちろん、攻め上がるスイスではあったけれど、それでも、次のボール奪取プロセス(守備)へは、ものすごい「勢い」で戻り、素早く、効果的に「ブロック」を整備しちゃうよ。

そんな、優れた主体性プレーにも、舌つづみを打っていた。

その後は、もう、何があっても止まらないってな感じで、両チームともに、ゴール機会を生み出しつづけるんだ。

こんなエキサイティングなゲーム展開になろうとは、思ってもいなかった。

とにかく・・

スイスには、1点を守り切ろうなんていう「守りのマインド」なんて、1ミリもなかったっちゅうコトだ。

そんな、心理・精神的バックボーンにも、フットボールネーションの「伝統」を感じたモノさ。

これまで、「J」も含め、数限りない「ドラマ」を体感しつづけているわけだけれど、一度だけ、「大逆転ドラマ」をストーリーにまとめたことがあった。

興味のある方は、その「ドラマ」も、ご堪能あれ。

へへっ・・

あっと、勝負マッチ。

そして、そんなギリギリのゲーム展開のなか、延長1分に、コトが起きた。

シンプルなタイミングのクロスボールを、中央で待ち構えていた、ニクラス・フュルクルクが、ヘッド一発。

放たれたボールは、スイスゴールの左上角に、吸い込まれていった。

わたしは、その瞬間、まさにフリーズしてしまったよ。

このゲームについては、もう、これ以上語るパワーが残されていない。

ということで、ドイツとスイスが、決勝トーナメントに駒を進めるという結果に落ち着いた。

フラストレーションと驚き、ホープと落胆・・

そんな、激烈な「情緒」のアップダウンの連続ではあった。

フ~~ッ、疲れた・・