2023_WM女子ファイナル・・実力に勝るスペインの、フェアな順当勝利ではありました・・(スペインvsイングランド、1-0)
スペインが、サッカー内容で上回り、フェアにワールドカップを勝ち取った。
とにかく・・
スペインが展開した、ボール奪取プロセス(守備)は、素晴らしくアクティブだった。
素早い攻守の切り替え、間髪を入れないチェイス&チェック(寄せ)、連動するマーキング&カバーリング、パワフル&スキルフルな局面デュエル、効果的な協力プレスの集散、優れた最後の半歩というファクター、などなど。
最後の半歩というファクター・・
そこには、相手のラストパスやクロス、シュートを「ブロック」するというだけじゃなく、仕掛けてくる相手の「イメージング」の内容を、しっかりと「読む」というコトも含まれる。
そんな、しっかりとした組織ディフェンスがあるからこそ、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、ボールがないところでのアクションの量と質がアップしていく。
そして、モダンサッカーで「違いを生み出す」もっとも効果的なツールである、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが冴えわたるのも、道理ってな具合だ。
対するイングランド・・
やはり、まだまだ、フィジカルが前面に押し出され「過ぎ」ている。
たしかに、ボール奪取プロセス(守備)では「強さ」は魅せるけれど、スペインのような「スマートなボール奪取」と比べたら、まだまだチカラ任せ。
だから、「良い位置」でのボール奪取シーンが少ない。
次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、「組織」と「個」をバランスさせられず、強引なドリブルチャレンジとか、一発パスなど、チカラ任せの仕掛けが目立っちゃうんだ。
ところで・・
ナデシコが「4-0」でスペインに勝ったゲーム。
わたしは、ドイツで、仲間のプロコーチ連中と観戦していたんだけれど・・
ヤツらも、ナデシコが展開した「戦術サッカー」を称賛していたよ。
・・ワールドカッブ本大会は、トーナメントみたいなモノだからな、一発勝負に懸けるやりかたが、正解だよな・・
・・相手は、チカラが上回る、スペインだし、その「やり方」は正しい選択だったし、見事に結果も引き寄せたからな・・
・・でも、もちろん、リーグ戦で、あんなサッカーをやったら、評価はされないだろうけれど・・
あっと・・
この、美しい(そしてリスキーな!?)質実剛健サッカーと、勝つことだけに特化した徹底(戦術)サッカーに関する、内実ディスカッションについては、また別の機会に。
とにかくナデシコが、この「強いスペイン」に対して、ズバッってな音さえ聞こえてきそうな鋭いカウンターから、4点ももぎ取ったコトは、歴史に残るよな。
あっと・・
とにかく、美しい質実剛健サッカーで、初めて世界チャンピオンに上り詰めたスペイン女子代表には、同じサッカー仲間として、称賛と感謝の拍手をおくりますよ。
これ(女子W杯でのナデシコの活躍!)で、たぶん・・
そう「WEリーグ」も、盛り上がるに違いない。
とにかく・・
しっかりとボールが止まり、蹴ることができるまでにレベルアップしている女子サッカーは、技術的にも、戦術的にも、また「勝負」でも楽しめるコト請け合いなんだよ。
お互い、これからは、WEリーグ「も」、とことん楽しみましょう。