2024_J1_第19節・・両チームが展開する、同じようなベクトル上にあるサッカーを観ながら・・不確実なサッカーじゃ、攻守にわたって、柔軟な「主体性プレー」が求められるのにナ〜・・なんてコトを考えていた・・(ゼルビアvsアビスパ、0-0)

レビュー

・・この両チームは、似ていると言われているように思いますが・・

・・実は、違いはあるんですよ・・

アビスパ監督、長谷部茂利が、そんなニュアンスの内容をコメントしたとか。

フムフム・・

たしかに、両チームともに、徹底(戦術)サッカーという意味では、似ていないコトもない。

でもソレは、あくまでもボール奪取プロセス(守備)のコンセプトという意味合いだよネ。

それに対して・・

スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)については、たしかに、人とボールの動きという視点で、イメージングのニュアンスの違いは、ある。

ゼルビアは、どんどん、タテに仕掛けていくことで、なるべく最短距離で(素早く)シュートへ持ち込もうとする。

それに対して、アビスパのイメージングは、その「動き」を活性化し、「変化」を与えることで、ゼルビア守備を振り回そうとするんだ。

そして、そのプロセスで出来たスペースを突いていく。

まあ、このゲームで、アビスパが、そんな創造的なイメージングを押し通し、機能させられたかといったら、疑問符はつくけれどネ。

もちろん、アビスパもまた、タテへ仕掛けていくチャンスを逃さず、シンプルにタテへ突っ掛ける傾向は強いんだよ。

ということで・・

この両チームの、チーム&ゲーム戦術コンセプトが、外郭的には、似通っているって言えるのかな。

とはいっても、最終勝負というテーマでは・・

ゼルビアに、絶対的なキーパーソンが欠けていたことを、忘れちゃいけない。

そう、オ・セフンやミッチェルデュークといった、「高さ」が不在だったんだ。

だから、アバウトな放り込み&セカンドボール狙いというやり方には、限界があった。

また、ゼルビアでは、ナ・サンホといった、仕掛けのリンクマンも、不在だったね。

とはいっても・・

そう、藤尾翔太や平岡悠といった、オリンピック代表もいるし、彼らは、彼らなりに、頑張っていた。

考えてみたら・・

今シーズンのゼルビアは、昨シーズンから、まったく別物チームになったとも言えそうだね。

それでも、超絶の徹底(戦術)サッカーは、そのまま。

まあ、考えてみたら、それも当然だと思えてくる。

何せ・・

攻守にわたって、「やること」が、明確に決められているわけだからね。

あるゼルビア選手が・・

・・やるコトが明確だから、すぐに、アクションに入れるんですよ・・

そんなコトを言っていたとか。

でも、わたしは・・

そんな「ステレオタイプ発想」のプレイヤーを、育てようとは思わない。

サッカーでは、同じプレー(シチュエーション)は、二度と起きないわけだから・・ね。

それほど、不確実なサッカーでは、状況の変化が、激しい。

だからこそ、サッカーでは、柔軟な(≒自ら考え、決断し、勇気をもって実行できる)主体性プレーが求められるんだ。

まあ、ゼルビアのように、やるコトが「カチッと決められていたら」、そりゃ、失点を減らすことはできるでしょ。

そして、セットプレーなどでゴールを一つでも奪えば、勝てる可能性が高まるっちゅうわけだ。

まあ、たしかに、長谷部茂利が率いるアビスパでは、前述した「動きの柔軟性」という意味で、ゼルビアのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)とは、一味、違う。

とはいっても、アビスパにとっても、勝つことは至上命題だし、その意味を内包する、徹底的なボール奪取プロセス(守備)の方向性は、とても似通っている。

わたしは、ドイツ留学時代に、何度も、その「タイプのサッカー」を体感している。

そして、そんなサッカーをやる監督に対して、ドイツサッカーの(創造性という絶対コンセプトを大事にする!)レジェンドプロコーチが、苦言を呈するんだよ。

わたしは、何度も、そんな「ハード」なディスカッションに、居合わせるコトを許可された。

それは、ものすごく深く、そして、冷や汗が出るほどシリアスな体感ではあった。

そんなコトも、少しずつ、進化&深化を積み重ねている「フットボールネーション伝統」の、絶対ベースの一角っちゅうコトなんだろうね。

この試合については、そんなところかな・・